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企業レポート

みそ4位豆乳2位 マルサンアイ 5月30日 (2023.05.29)

後半コスト対応本格化 
これから10年ビジネスチャンス
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 マルサンアイ(2551)は踊り場。後半コスト対応本格化。巻き返す見通しだ。5月1日修正発表によるもので、前半主力の豆乳が伸び悩む一方、原材料や電力・水道光熱費など軒並み上昇し高止まり。このため、8月豆乳9月みその価格改定を控え原価・販管費の改善急ピッチ。通期黒字転換を見込んでいる。2017年稼働したマルサンアイ鳥取(連結子会社)がコロナ禍・ウクライナ危機に拘らずノンストップで豆乳をリード。生産量が当初の計画を1割上回り一服。国内の食品業界に共通するもので直近5年品目3割減という。コスト圧縮、値上げ、ネット購入など踏まえ体質強化。G7後、米債務上限問題や株の乱高下、米銀破綻に伴う信用不安も伝えられ拍車がかかりそうだ。半面、世界の資金がG7を境に堰を切って国内へ流れ込んでいるのも事実。安心、安全に安定を巡るもので、5月22日に日経平均が33年ぶり戻り高値(3万0808円)を抜いた。中長期1989年12月29日の最高値(3万8915円)を更新するとみられる。製造業の国内回帰とインバウンドが新たな材料。従来の在庫・設備・住宅投資のほか、九州と北海道の半導体新工場を目玉にAI投資が後押し。個人消費が持ち直すのも時間の問題だ。30年デフレの反動がうかがえる。2021年12月に新体制が発足し2期目。22~23年あらゆる可能性を探る上でピンチもチャンスと述べた。日経平均が最高値を更新すると豆乳に続きみその出荷も増加。数年後5、10万円なら歯止めがかからない。G7や8つの招待国、ゼレンスキー氏など日本のもてなしが文化として世界に広がるわけだ。日本豆乳協会によると、2023年1~3月豆乳類の生産量91,021㎘。無調整が前年同期100.3%と横ばい。全体で94.5%にとどまった。同協会の目標が年間生産量50万㎘(20年43万㎘=ピーク)といわれ、数年後大幅な上方修正も考えられる。第3次中期計画で明らかになった戦略骨子をはじめ基本・財務・成長投資方針など6項目の課題に異論なし。2010年発売した豆乳グルトシリーズ12年連続ピーク更新。累計出荷5000万個突破が一例。前回紹介した「ひとつ上の豆乳」シリーズで第52回食品産業技術功労賞を受賞。原材料、品質、製法、デザインなどこだわり抜いた商品づくりが評価された。7年後、日本主催のG7で使って貰えると申し分ない。
 2023年9月期(連結)は、売上高302億6500万円(1.4%減)、営業利益8200万円(65.0%減)、経常利益4800万円(81.2%減)、純損失3億円に見直した。期末配当30円を据え置く予定。設備投資5億1700万円(前期21億2500万円)。償却13億6300万円(同14億400万円)の計画でヤマを越した。30年デフレのさなか、ゼロ金利下延べ77億円投入したマルサンアイ鳥取なしにあり得ない。みそ国内4位、豆乳同2位を固め、これから10年ビジネスチャンス。MDX(マルサン・デジタルトランスフォーメーション)が回り出すと様変わりだ。こうと決めたら後に引けない体質。受け継いだ仕事を維持するだけでなく何倍にも発展する役目を担っている。社長が無駄のない行動力と最後までやり遂げる責任感を買われているだけに頷ける。

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