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企業レポート

殻を破る年 マキタ 4月4日 (2023.04.03)

正念場乗り切り倍返し 
充電製品の総合サプライヤーに舵
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 マキタ(6586)は反転。1~3月正念場を乗り切った。新年度持ち直す公算が大きい。欧州向け販売が伸び悩む中、連結増収を確保。原材料高騰や販管費増、為替など採算改善が主因。国内で巣ごもり需要一巡に拘らず充電式園芸機器やXGTシリーズの新製品がヒット。北米やアジア、中南米、オセアニアでも二ケタ増収の模様だ。コロナのほかウクライナ危機長期化を受けたもので、ルーマニア工場の操業確保と中国上海ロックダウンの吸収が印象的。現場体験によるもので、あらゆるリスクをこなし中長期シェア拡大の糧になる。この上、米地銀破綻やクレディ、UBSなど世界レベルの信用不安が尾を引くとむしろ後押し。同社のユーザーがプロ2位、トータル4位といわれるだけに伸びしろが大きい。前回述べたように、世界の電動工具市場3兆円、園芸用機器4~7兆円。バッテリー充放電・モーター技術をコアに満足度の高い新製品開発と豊富なラインナップ。DX導入により高品質とコスト競争力を両立。グローバルな生産体制と業界№1の販売・サービス体制がグループの強みだ。充電式の園芸用機器を電動工具に続く将来の柱と位置づけ、市場深耕と開拓を通して脱炭素社会を実現するのが目標。2022年エンジン製品の生産を終了した。電動工具をはじめ園芸用機器、エア工具などグローバルサプライヤートップを目指し、清掃、アウトドア、防災など新たな分野で新製品を開発・拡販。充電製品の総合サプライヤーに舵を切った。直近、充電式電子レンジが人気。まさか、革命という。電動自転車、同バイク然り。戦後の常識が一変した。自社の事業活動による温室効果ガス排出量を2040年度までに実質ゼロ。サプライチェーン全体で2050年度をめどに実現する見通し。前期末の連結ベース海外生産比率93.0%。海外で働く従業員1万6973人(国内3260人)。男性従業員1万3234人(女性6999人)。さばけたもので徹頭徹尾地産地消が原則。常に在庫を十分持ち緊急事態にも対応。「修理3日体制」が浸透している。
 2024年3月期(連結)は、4月末(昨年27日)明らかになる見込み。前期、1月末の修正予想で売上高7500億円(1.5%増)、営業利益250億円(72.7%減)、税引き前利益230億円(75.1%減)、純利益120億円。第4四半期持ち堪え新年度増収増益とみられる。算命学によると、殻を破る年。あるが儘受け入れアクセル全開。わが道を突っ走るという。後藤社長(48)が解脱運だけに次のステップを踏まえ視野も広がる。リーマン危機(2008年)から13年で連結売上高2.50倍、同営業利益1.89倍。2期連続最高益を計上し正念場を乗り切った。前年度末の時価総額9184億円、PBR1.18倍に過ぎない。ウクライナ危機や世界の信用不安に拘らず半値戻し、全値戻し。中長期、倍返しも考えられる。※7月31日発表された決算にご注目ください。

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