困難から抜け出す セリア 3月28日 (2023.03.27)
100円均一を確保
ビジネスモデル抜本的に転換中
企業HPご案内 前回の企業レポート
セリア(2782)は回復。3月に米国の金融危機再燃を織り込みあく抜け。新年度持ち直す公算が大きい。第3四半期と2月度売上高・店舗数、直近の円高など加味したもので、デフレの象徴といわれたビジネスモデル(12期連続最高益更新)を抜本的に転換中。従来の成功体験にとらわれず、商品開発、店舗運営、取引環境など洗いざらい一線を越えた。コロナに続きウクライナ危機長期化。巣ごもり需要の反動や原材料・エネルギー高騰、昨年10月150円を突破した円安等直近2期絶体絶命のピンチ。業界大手が110円(税込み)から1100円(同)まで価格帯を引き上げる一方、唯一110円(同)を死守し乗り切りつつある。年初来130円前後の円高が追い風。米シリコンバレー銀破綻を境にドル売りが目立ち、中長期大幅な円高も伝えられる。100均の面目躍如だ。2023~24年次第でひとり勝ちも考えられる。価格帯を引き上げた大手が事実上100均の顧客を明け渡すわけで業界再編に拍車がかかる。高島屋(8233)をルーツに1926年大阪で開業した「高島屋十銭(テンセン)ストア」から間もなく100年。バブル崩壊後30年デフレで一世を風靡したダイソーに続き業界2位。百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグとも一線を画し、ネットや回転寿司につながる今様の経済合理性が魅力。日本の100均は種類が豊富で抜群の品質といわれインバウンドの目玉。ダイソーが男性なら同社はお洒落な女性に人気があり、「ウィリアム・モリス」の生活雑貨「いちご泥棒」が話題。モリスは19世紀英国のデザイナー。テキスタイルで有名になり日本でも人気がある。毎年約2万点の商品を3割見直しアップデート。原材料や品質など改良・改善してトータル100円に統一する作業が決め手。POSによる独自の分析や在庫管理・自動発注も35年のノウハウによるものだ。昨年4月オープンした銀座店が伸びており、今年4月福岡の大型商業施設「ミーナ天神」に出店。九州最大規模という。現在過半のセルフレジを新年度全店(3Q末直営・FC計1943)に導入。QRコード決済も進める予定。商品の改廃や発注支援システムの更新と呼応し100円均一を確保。あらゆる困難を乗り越え勝ち残る構えだ。米国の1ドルショップ大手ダラーツリーが一例。3月発表された四半期決算で9%増収(0.4%純利益減)と市場予想を上回った。年収8万ドル以上の来店客が増加しているという。昨年4月末、商品の大部分1ドルから1.25ドルに引き上げた。ドル安の影響が注目される。
2023年3月期(非連結)は、売上高2140億円(2.8%増)、営業利益150億円(28.3%減)、経常利益同(29.7%減)、純利益100億円(30.1%減)の見通し。配当70円(期末35円)の予定。設備投資68億円(前期60億2400万円)の計画。第3四半期から到底困難といわれた場面を抜け出した。新年度日銀がイールド・コントロールの変動幅拡大。円高に振りドルベースの米国債購入が増える見込み。気を抜くとやられる。算命学によると、24~25年解脱運。あらゆる困難を受け入れ視野を広げる時という。河合社長(55)は不意の落ち込みに注意。夢が現実になり人生最大のチャンス到来。会社が解脱すればしめたものだ。※10月31日発表予定の決算にご注目ください。