変化がチャンス 大同メタル 3月22日 (2023.03.20)
危機長期化にも正攻法
10~30年後の長期ビジョン策定中
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大同メタル工業(7245)はあく抜け。新年度反転が見込まれる。2月9日連結業績予想の修正と同22日トップ交代発表が新たな手掛かり。前者が一部のグループ会社の税負担増や繰延税金資産取崩し、法人税等調整によるもので、後者も健康上の理由。2018~23年度まで6ヵ年、海外トラック向けのシェア拡大、船用・産業用中高速エンジン用軸受の国内、海外市場の開拓や新規事業の創出・育成では、電動化自動車用のアルミダイカスト製品の販売拡大や風力発電用軸受の積極的な市場開拓に継続して取り組むもので、コロナ、ウクライナのほかリーマン以来金融危機長期化にも正攻法。グループで揺るぎない体制をつくる。既存事業磨き上げ、新規事業の創出・育成、強固な基盤確立、組織・コミュニケーション活性化が4支柱。21年歴年・同社推定グループの自動車エンジン用半割軸受け世界シェア36.7%。非自動車用軸受けでも同66.0%でトップ。21年夏から電動化自動車用アルミダイカスト製品をタイ子会社を通じて立ち上げた。政府の2050年「カーボンニュートラル」実現に向けて推進センターを新設。リスク管理にも意を注いでいる。1995年、現職社長死去に伴い10人抜きで後任社長になった判治会長兼CEO(最高経営責任者)が健在。今回、社長兼務で陣頭指揮。変化がチャンスという。中国の船舶用受注も需要が堅調で開拓も進んでいる。原材料やエネルギー高騰に対し価格改定で対応。失われた30年からインフレの入口に差し掛かった。近い将来ガソリン車が消えてなくなる旨の観測頻りだが、国内のガソリンスタンドが1994年6万余をピークに2021年度2万8400に減る一方、充電スタンドは09年を振り出しに22年8月8000に過ぎない。2050年になっても7割内燃機関が残るという。新興国でエンジン車ニーズが強い上、所得増に伴う更新需要も根強く部品の伸びも大きい。どちらに転んでも同社にとってビジネスチャンス。22年3月末現在、連結従業員6984人。単体1365人。若手の伸びに期待がかかる。
2023年3月期(連結)は、売上高1100億円(5.7%増)、営業利益18億円(64.3%減)、経常利益20億円(58.6%減)、純損失31億円に見直した。中間配当10円、期末未定。3月10日、米シリコンバレーバンク破綻から金融システムの不安蔓延。21~22日と5月2~3日のFOMCが前半の山場といわれる。現在、10~30年後を視野に長期ビジョンを策定中。世界中の情報を集め開発、生産、営業などグループ全体で知見を集約している。算命学によると、会社は23年うだつを上げる年。CEOも同運で30年にかけて長大運。天地が味方している。※8月10日発表された決算にご注目ください。