正念場から踊り場 福島印刷 10月12日 (2022.10.11)
ブレークスルー待ち
21~26年BPO平均成長率3.9%
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福島印刷(7870)は踊り場。正念場を乗り切り中長期チャンス。仕込みに傾注している。デジタル化、消費低迷、人口減のほかコロナ、ウクライナ危機にも前向き。新年度ライフスタイルや社会情勢の変化が予想されるためだ。製造業の国内回帰が伝えられる一方、インバウンド再開をきっかけに落ち込んだDMDP(販促)の回復が見込まれ、24年20年ぶり新1万円札発行も手掛かり。紆余曲折を経てアベノミクス巻き戻しに伴うインフレに直面する見通し。例年赤字の第1四半期(9~11月期)が黒字転換するとブレークスルー。収益拡大に弾みがつきそうだ。業界自体、バブルのピークからパイ半減。同社は底が見えない現状で単一事業に特化。11年8月期売上高55億0200万円が10年後同85億5100万円に5割強、営業利益も同2億1200万円から5億8600万円に2.8倍の伸び。20年ぶりピークを更新した。ホロスコープ(天体配置図)によると10年先の初動という。10年前3分の1を占めた主力のBF(帳票)が構成比1割、1割だった企画商業印刷も3%に後退。続々最新鋭機を導入しDP(データプリントサービス)に活路を見出した。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=企業運営業務の外部委託)の市場拡大によるもので、前期DMDP18.7%減収に対し、IPDP(通知物)9.6%増収。予想を下回ったDMDPが反省材料で新年度巻き返し。IPDP堅調とあって続伸を見込んでいる。昨年11月から過渡期。下畠社長(67)が代表取締役会長兼社長となり他にも新体制の走り。世代交代を境にBPOの取り込みが一段と進みそうだ。7月に企業物価指数が過去最高となり、エネルギーや原材料、物流費高騰などインフレ対応待ったなし。「失われた30年」を通じて国内の需給が改善し、コロナとウクライナで東西共倒れに伴う漁夫の利も考えられる場面。上場来25年経過し人口動態でボーナス期。これから10、20年一番伸びる旨述べた。IT系ノウハウを吸収する上で資格取得支援制度を全社展開。数年後新体制が固まり、レギュラーが揃うと売上高100億円突破。DX導入により採算の改善も期待できる。国や地方、民間各社と取引があり、提携先のNTT印刷や広済堂HD(7868)次第でスケールも拡大しそうだ。
2023年8月期(非連結)は、売上高80億8300万円(5.3%増)、営業利益2億7900万円(15.4%減)、経常利益2億7100万円(18.1%減)、純利益1億9000万円(18.9%減)と慎重な見通し。配当12円(中間6円)を据え置く予定。設備投資前期並みの計画。同社の運勢によると、22~23年将来を左右する急所。会長(兼社長)も同運で尚更。あるがまま受け入れ、さなぎから蝶になるのが2年目。28~29年これまでにないチャンスという。BPO最大手トランス・コスモス(9715)やパソナの動きにも明らか。国内でコールセンターや人事、財務、経理など需要増がうかがえる。業務効率化や生産性向上を促すもので、21~26年BPO の平均成長率3.9%という。同社にとって高品質低価格が当たり前。通知物やDM(ダイレクトメール)のソリューション提案がベース。さらに伸びる。直近の時価総額24億円。PER12.22。PBR0.44。利回り2.96%。指数乱高下にあって中低位のバリュー株水準訂正。見直される公算が大きい。※5月15日発表されたお知らせにご注目ください。