証券ビュー

企業レポート

差し引き計画通り マキタ 9月27日 (2022.09.26)

中長期伸びしろ魅力 
園芸機器のシェア拡大が見もの
企業HPご案内   前回の企業レポート  
 マキタ(6586)は正念場。当面コロナ一巡・ウクライナ危機長期化により流動的。差し引き計画通りだ。4~6月期連結純利益51.1%減が走り。巣ごもり需要頭打ち、ロシア情勢緊迫化を物語るものでエネルギー、原材料、物流費高騰に中国のロックダウンもこたえた。同社の場合、地産地消が原則。常に在庫を十分持ち緊急事態に対応している。しかし、8月以降世界的な利上げ・金融引き締めの影響が懸念され来年の景気後退説しきり。にも拘わらず、中長期「Strong Company」を目指し駒を進める見通し。直近、世界の電動工具市場3兆円、園芸機器同4~7兆円といわれ前途洋々。前回、同社のユーザーはプロ2位、トータル4位につけ伸びしろが魅力と述べた。バッテリー充放電・モーター技術を基盤に満足度の高い新製品開発と豊富な製品ラインナップ。DX導入により高品質とコスト競争力を両立したグローバルな生産体制と業界№1の販売・サービス体制がグループの強みという。充電式の園芸用機器を電動工具に次ぐ将来の柱と位置づけ、市場深耕と開拓を通じて脱炭素社会を実現するのが目標。清掃、アウトドア、防災など新たな分野で新製品を輩出し「充電製品の総合サプライヤー」を宣言している。現在、使用時に排ガスの出ない園芸機器に注力。自社の事業活動で温室効果ガス排出量を2040年度までに実質ゼロ。サプライチェーン全体で50年度をめどに実現する。何より、過去10年で連結売上高2957億円が7392億円(2.5倍)。同営業利益485億円が917億円(1.89倍)に伸びた。バブル崩壊やリーマン危機のほかコロナ、ウクライナ危機を吸収するもので、ホロスコープ(天体配置図)によると、21~22年が10年先の初動。23年あるがまま受け入れ乗り切ると殻を破るという。来年が正念場というわけだ。
 2023年3月期(連結)は、売上高7400億円(0.1%増)、営業利益850億円(7.3%減)、税引前利益830億円(10.3%減)、純利益590億円(8.9%減)の見通し。配当は第2四半期末10円に期末配当性向30%(前期計72円)が基準。設備投資400億円(前期599億円)の計画。減価償却200億円(同176億円)、研究開発費150億円(同141億円)の見込み。想定レート米ドル120円、ユーロ130円、人民元18.9円。来年1~3月アベノミクス巻き戻しが伝えられ、円も世界のインフレにスライド。米株安に拘らず中長期日本株が底堅い。昨年9月7050円を高値に半値以下の水準にあり買い下がりだ。目先つかまっても中長期シェア拡大が見込まれるためで、現在10数%の園芸機器が20%台に乗せると面白い。22年3月生産を打ち切った草刈り機やチェーンソーなどエンジン製品がポイント。手軽な家庭向けからプロ向けにも転換需要が伸びており、40Vmax自体エンジン代替えシステム。通常18Vでいいのに規格外でヒットを飛ばしている。大きな造園会社がエンジンからバッテリーに乗り換えるだけで大金が動く。エンジン製品に限れば全体の2%といわれ市場の反応も見ものだ。

>>購読ご案内