着実に収益伸ばす 今村証券 9月21日 (2022.09.20)
敦賀支店が出色の初動
今秋来春転機とみられ一念発起
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今村証券(7175)は踊り場。前期最高純益を更新し一服。今秋来春転機とみられる。9月20~21日FOMCと同22日の日、米、スイス、英国の中銀政策決定会合が新たな手掛かり。欧米がインフレ退治に舵を切る一方、日本はアベノミクス巻き戻しを迫られ流れが変わるためだ。9月にドル相場ピークアウト。10年ぶり円高が見込まれ、90年代日本株安に拘らず米国株高が続いたのと対極の関係。欧米がデフレに巻かれ、日本はインフレに連動し株高の見通し。市場の一部で数年後「日経平均5万円」といわれる。同社の場合、前期末の純資産106億円(バブル当時35億円)。バブル後約30年資本・人材・コンピュータの独立を守り、システム構築から運用まで自前でこなすなど独立独歩。2014年JQに上場し17日富山支店開設、19年トップ交代、22年敦賀支店を開設するなど逆境下で常に前向き。着実に収益を伸ばしてきた。北陸で第2地銀と肩を並べプレゼンスがある。直接金融と間接金融の補完を通じて地方の発展を促すもので、大熊本証券や長野の業者と連携し「知的財産を活用した企業支援事業」に取り組むのも一環。近隣のほか遠隔でも連携がみられる。前期末の預り資産2485億円(直前期2396億円)。「失われた30年」通して経費カバー率(80%超目安)向上に努め前期97.6%(直前期88.8%)に改善した。5年で1万5000口座(単年度3000以上)新規顧客の獲得を目指し、前期4485(直前期3747)にのぼる。投信積立口座やNISAの販売促進も目立ち顧客資金の出入活発。タブレット発注件数が18年から大幅に伸びている。さらに、4月オープンした敦賀支店が出色の初動。小浜をはじめ嶺南地方で成功すると京阪神にも客層が広がりそうだ。1921年創業、44年設立の信用がモノをいう場面。コロナ禍、ウクライナ情勢を踏まえ市場が転機を迎えたもので一念発起。今秋来春大商いも考えられる。中長期24年(上場10年)から29年(トップ交代同)にかけて層が厚くなる見通し。数年後楽しみで「日経平均5万円」も呼び水。人材の若返りによりアップデート。ブラッシュアップも期待できる。中長期情報提供の充実を図り、多様な商品を持ち、新規顧客の獲得を目指すという。欲をいえば法人顧客が皆無。大きなビジネスを支える土台がないと従来の延長上。10年スパンでもう一皮むけるはずだ。世界に創業100年以上の企業が8万社を数え、日本が41%占め3万社という。しかし、200年以上になると65%を占めダントツの1位。同社も次の100年を考える時がきた。米中バブル崩壊とウクライナ危機長期化による新冷戦の顛末が興味深い。同社は「百術不及一誠」(百術は一成に及ばず=どんな小細工も真心にかなわない)が経営の基本方針。独立独歩、進取の気性、「百尺竿頭進一歩」(ひゃくしゃくかんとうに一歩を進む=百尺ある高い竿の先まで登り、必要ならなお一歩踏み出す勇気)が経営理念。会社の運勢によると、簡単に自分を譲らない頑固さと芯の強さがあり、独立独歩の生き方を大切にしている。社長は家系からはみ出し天空を飛ぶと出ており、23~24年カリスマ的存在。願ってもないポジションにある。