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企業レポート

上場来高値目指す 名工建設 9月6日 (2022.09.05)

中長期リニアが焦点 
過去10年目に見えて生産性向上
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 名工建設(1869)は連結一服。前期最高純益を計上し今期慎重な構え。中長期リニアが焦点になった。21年11月から22年4月にかけ長野県で労災事故が3件発生。静岡県知事の着工反対もあり、当初27年開業予定から1年半遅れるものの、事故を受けたJR 東海(9022)が安全対策を徹底。品川や名古屋、大阪延伸のほかコロナで持ち越した地域プロジェクトも多数控えており動き出す公算が大きい。1962年、旧国鉄宮崎実験線でリニア開発が始まり60年。同社は満を持して山梨実験線を拠点に関連インフラやガイドウェイ製作工事など取り組み出番待ち。数年後、活気を取り戻すとみられる。第17次経営計画(18~20年度)に盛った安全最優先の企業風土定着。長期プロジェクトの確実な施工。バランスのとれたゼネコンとして総合力強化。持続的成長を目指す経営基盤強化。四つともワンランク上を目指すものでこれが効いた。10年前の連結経常利益20億9000万円が20年3月期73億3400万円。従業員1387人から1275人に締まり生産性が目に見えて向上した。上場から40年。人口動態によるボーナス期に相当し若手の伸びが大きい。第18次同計画(21~23年度)然り。信頼と競争力、実行力をスローガンにイノベーション断行。重大な労災・運転事故ゼロ。連結受注高800億円以上。同売上高同、同経常利益率4.0%を打ち出した。国内の「失われた30年」がデフレにだけに、BS・PL挙げて中長期インフレに備える場面。6月28日から松野社長(65)をトップに人心を一新した。親会社をはじめ顧客から信頼堅持。東京・大阪で受注基盤を確立し収益強化。業務改革に必要な社員の意識向上と同環境整備。DX推進や情報一元・共有化など筋肉質な体質強化がキーワード。22、23年正念場と考えられる。同社の運勢によると、今までを見つめ直す2年と図星。29~30年最高と出ている。新社長が23年追い風だけに問題ない。親会社も上昇運。23~24年夢が現実になるという。4~6月期末の連結純資産601億円(自己資本比率63.1%)に対し、8月31日の時価総額322億円。PER9.11 、PBR0.50に過ぎない。それでも、過去10年で400円台から1200円前後まで3倍になった。中長期1990年の上場来高値1850円を目指している。
 2023年3月期(連結)は、売上高820億円(1.2%減)、営業利益45億円(35.8%減)、経常利益48億円(34.4%減)、純利益33億円(37.8%減)の見通し。配当中間15円、期末未定。前期中間・期末とも15円で配当性向14.3%。設備投資11億円(前期6億9800億円)の計画。DX関連が過半といわれる。1964年の東京五輪から半世紀以上かけた整備新幹線が大詰めの段階。ほどなくリニアが内需拡大の決め手として見直される運びだ。製造業の国内回帰と連動し明るい材料。同社にとって今後ガイドウェイ敷設となれば大幅な水準訂正が見込まれる。※1月27日発表された決算にご注目ください。

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