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企業レポート

24年春新工場稼働 日東工業 7月20日 (2022.07.19)

連結配当性向100% 
中期経営計画と資本政策見直す
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 日東工業(6651)は大上放れ。今、来期連結配当性向100%を表明し人気化。様変わりだ。5月13日発表した「2023中期経営計画(追補版)」の資本政策見直しによるもので、24年3月期ROE8.5%以上(従来7.0%)が決め手。同計画を24年度以降本格化する長期経営構想の準備期間に繰り上げ、外部環境の変化に呼応するため個別ブランド戦略推進、事業・技術領域拡大、グローバル化。さらに、規模拡大・重要課題解決に取り組み中長期企業価値向上を目指す旨明らかにした。社会・経済的価値を意味するもので、連結売上高1500億円、営業利益130億円(24年3月期)が目安。コロナ前の水準に戻し瀬戸新工場立ち上げを見込んでいる。半面、世界的な利上げ・株安、ウクライナ情勢、7月に国内感染者がピークを更新したコロナ第7波など流動的。しかし、改良・改善に意欲的で何が起きても心配ない。24年4月、創業の地(瀬戸)に名古屋工場を移転するもので、67年東名の名古屋インター東隣に工場新設。70年瀬戸の本社を移転。74年菊川工場を足場に全国展開した当時と比較にならない。国内のほか海外もリアルタイムに生まれ変わる。顧客と生産設備がつながるスマート工場。DXを推進した独自の生産システム。特注品を標準仕様でさばくフレキシブルなシステム。最新技術と新工法導入に着手した。CADデータ連携により販売Webツールの強化を図り、顧客の利便性向上に取り組み始めた。13年サンテレホン・南海電設、15年シンガポールのギャザーゲイツ、18年北川工業などグループに迎え、トータルで市場ニーズに応えるベースができた。最近、提携先のエネチェンジ(4169)とEV充電器の話題で持ち切り。コロナ禍、プライベートボックスでも人気を集めた。リーマン危機直後の太陽光発電パネルとGIGAスクール関連の需要が一巡し、エネルギーや素材高を巡り価格、納期など突っ込んだやり取り。緊迫した空気が流れている。
 2023年3月期(連結)は、売上高1450億円(9.2%増)、営業利益96億円(11.1%増)、経常利益100億円(6.2%増)、純利益67億円(1.4%増)の見通し。配当177円(中間88円)の予定。設備投資101億円(前期51億8300万円)の計画。電子部品関連製造事業(2.3%減収)を除き軒並み増収。主力の配電盤(13.5%増収)と電気・情報インフラ関連流通事業(11.9%増)の伸びが目立つ。ギャザーゲイツののれん代(前期末5億1600万円)償却も大詰め。6月29日付人事異動で海外本部が強化された。社運によると、22~23年今までの経緯を見つめ直す場面。自分との戦いが始まった。2030年にかけて大きな山が見える。天の与えた2年を有意義に過ごせという。一方、黒野社長(63)も上昇運。枝に手を伸ばせば大きな果実。いつか夢を叶えてしまう魅力がある。人生最高の高みを目指し進めと出ている。社運が乗り移った印象を受けた。これまで10年、連結売上高2.4倍、営業利益3.8倍。事業100年(設立1948年)の布石打っている。24年春、四季織りなす瀬戸新工場稼働。100%再生エネルギーで回す公園工場になる。

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