前期一服し反転 三谷産業 7月12日 (2022.07.11)
経営陣の若返り目立つ
中長期DX浸透により飛躍的な伸び
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三谷産業(8285)は踊り場。前期一服し反転。巻き返しに入った。収益認識基準適用一巡。価格高騰に伴うエネルギー関連を除き5つの事業連結増益の見通し。首都圏はじめ北陸、ベトナムを軸足に一段と連携強化。商社、メーカー、コンサルタント、ベンチャー企業育成を促すなど中長期投資活発。総会で会長・副会長退任の傍ら40代取締役(2)就任が何よりだ。昨年の30代(1)に続き経営陣の若返りが目立つ。10~20年先、創業100年(2028年)を視野に助走段階。2017年のトップ交代から10年目がターニングポイント。三谷社長(38)中心に指折りのメンバーが揃うとみられる。1988年の上場以来34年数え人口動態によるボーナス期に突入。これまでの仕込みが収穫期を迎える。リーマン危機直後600億円割れに落ち込んだ連結売上高が前期844億円に回復。直前期同利益ピーク更新も記憶に新しい。コロナ禍・ウクライナ危機をこなし今期増収に漕ぎつける。1928年石炭・コークス・セメント販売を振り出しに40年統制下の化学品事業着手。52年東京進出。60年石油製品販売開始。63年ダイキン(6367)の代理店となり空調。パナソニック(6752)やTOTO(5332)、タカラスタンダード(7981)など代理店となり住宅設備機器。66年富士通(6702)と特約店契約を結び情報システム事業を立ち上げたのが大きい。94年ベトナム事業で独自の境地を開き、97年樹脂エレクトロニクス進出。2002年医薬品原薬製造。さらに、08年健康食品向け機能性素材の製造を開始した。アナログやデジタルもビッグデータの蓄積十分。中長期DX浸透により飛躍的な伸びが見込まれる。むしろ、前期の一服が10年先の初動。昨年7~10月ベトナムのロックダウン然り。稼働のため工場隔離を求められ大幅な経費計上になった。情報システムもGIGA大型受注と基幹システムの反動減を受けた。化学品のジェネリック医薬品が不祥事に巻き込まれたのも反省材料。今期減益要因から除外しただけに改良・改善が課題になる。その点、化学品が原料調達から原薬・機能性素材の製造に副産物や廃棄物処理まで一括。空調設備工事と住宅設備機器を組み合わせた提案も受けている。22年2月に高級バスタブの製造販売や輸出入を手掛けるJAXSON事業を譲り受け。連結子会社を通じて世界の1%といわれる富裕層に売り込む。このほか、前期末1468社にのぼる「POWER EGGⓇ」。累計ライセンス出荷50万が話題。地銀の導入が活発でさらに横へ広がる見込みだ。
2023年3月期(連結)は、売上高870億円(3.0%増)、営業利益20億円(75.4%増)、経常利益26億円(32.2%増)、純利益16億円(12.3%増)の見通し。配当9円(中間4.5円)を据え置く予定。設備投資前期並み(21億8300万円)の計画。子会社CarbonVentursと北国フィナンシャルHDが立ち上げたQRインベストメントの組成(22年4月21日)も10年先の初動。クラウド間のデータ連携ツール「Chalaza(カラザ)」サービス数200も注目された。4月1日と6月14日付人事異動でも新任の部長、課長クラスが輝いている印象。同社が23年後半から上昇運だけに踊り場をものにする場面。社長も長年の夢を叶える幸運期に突入した。ベトナム統計総局によると、1~6月期のGDP6.42%の伸び。通年6~6.5%(政府目標)を超える見通し。