仕込み急ピッチ 太陽化学 6月16日 (2022.06.15)
新設3ライン次々稼働
10年後を先取りするモデルケース
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太陽化学(2902)は堅調。前期連結最高益を更新し攻勢。次の幕が上がり始めた。主力の南部工場ライン新設によるもので、2021年12月化粧品原料に続き22年7月新ミネラル製剤、同10月新造粒設備稼働の運び。コロナ禍・ウクライナ危機を吸収し次世代の仕込み急ピッチ。AIやDXを念頭にデジタル化のモデルケースになりそうだ。前回述べたように、コロナ対応リスク管理バージョン延べ29回。逐一改善・改良が進み安心・安全・安定を確保。新たなテーマに取り組んでいる。2012年、市場変化に対応、グローバル化、品質管理など6項目を掲げ10年。懸案だった不採算品見直しに傾注し結果を出した。直近2期ピーク更新した連結営業・経常利益に明らか。10年前の連結売上高335億円と20年前同337億円の純利益が13億円前後で比較にならない。徹底したブラッシュアップにより体質が一変した。今後エネルギーと原材料高騰の影響をもろに受けるものの中長期インフレ。22、23年世界中踊り場で踏ん張りどころ。健康食品も本物の時代を迎え、エビデンス(科学的根拠)がベースだ。同社の4人に1人が研究開発(約130人)に携わり営業の半数経験者。食品の機能をゲノムで解析・評価し疾病予防を提案するレベルにきた。食品の研究も帰納から演繹に変わろうとしており、世界の人口減少や高齢化に見合うものだ。南部工場3本の新ライン稼働が10年後の初動とみられる。約64億円の設備投資で当分償却負担増が減益要因。持分法による投資損失が一巡し為替差益が見込まれる。14日、米菓最大手の亀田製菓(2220)会長兼CEOに就任したジャネジャ氏(70)を思い出した。1984年来日し大学院で博士号を取得。太陽化学に就職し研究開発・海外事業を担当するなど2003年副社長。世の中にないものを発見した。タマゴは栄養を与えなくても21日間温めるだけで生命になる。タマゴに含まれるシアル酸が母乳の初期にあたる物質で主に免疫効果を高める働きのあることを突き止めた。
2023年3月期(連結)は、売上高420億円(5.1%増)、営業利益47億円(2.1%減)、経常利益同(11.3%減)、純利益30億円(17.3%減)の見通し。配当53円(前期64円)の予定。4月に間接部門を統合してコーポレート本部に改組。傘下にシステム管理・NPS推進・生産推進・ロジスティクス・財務グループと人事・総務グループに一本化した。社運によると、22~23年自身を見つめ直すチャンス。古い循環を断ち、より高みを目指す2年という。山崎社長(67)も同運で仕込みに限る。人材に恵まれ10年後を先取り。新設3ライン稼働が事業100年(2048年)を結ぶ糸口になりそうだ。