22、23年が決め手 マルサンアイ 5月27日 (2022.05.26)
新体制の初動に光明
30年後キッコーマン並みの収益も
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マルサンアイ(2551)は上期確り。下期正念場を迎える。一連のインフラ整備が峠を越し、大豆や包材・物流費高騰に円安などコスト吸収が急務。4月の価格改定(推定5%)及ばず抜本的な収益立て直しに入った。5月2日の修正発表が走り。一部修繕費等を下期に繰り延べたものの採算の改善顕著。新体制の初動に光明を見た。日本豆乳協会によると、コロナ禍で外食需要が低迷する中、2022年1~3月期豆乳類の生産量9万6285kl(前年同期比100.9%)。落ちていない。家庭内摂取が主因という。同社はキッコーマン(2801)に次ぐ業界大手2位。富士経済によると、直近シェア22.9%で中部・中国地区トップ。事実上、コロナを吸収した。ゆくゆく外食回復が見込まれ、製造業の国内回帰にインバウンドも支援材料。前回述べたように、22~23年中長期あらゆる可能性を探る上でピンチもチャンスだ。トップをはじめ最高の人材を結集し新体制が稼働した。直近、グループ全体で中期計画を1割上回っている模様。従業員の4分の1が女性といわれ人口減、高齢化に伴うデフレに見合うもの。マーケティングが受けている。POSデータの限界を超えアップデートの積み重ね。「真面目に丁寧なものづくり」(堺社長)が浸透し、上場(2001年6月)から20年で人口動態によるボーナス期に差し掛かった。懸案の「みそ」、「豆乳」に続く第3の柱も追ってラインナップ。10、20年後MDX(マルサン・デジタルトランスフォーメーション)と連動し高い生産性が見込まれる。1952年「みそ」をルーツに創業。業界トップに100年以上の企業が多く新参ものという。1980年「豆乳」参入から40年有余。上場をきっかけに最大のチャンスがやってきた。伸び切った「みそ」さえ業界4位。チルドで豆乳を原料に植物由来の乳酸菌で発酵させた「豆乳グルト」と「豆乳チーズ」を販売しており、400gの植物性ヨーグルトでシェアトップという。現在、8大学3公共機関と共同研究を実施中。大豆の可能性を再構築するもので、中長期100年企業(2052年)が目安。SDGs(持続可能な開発目標)を受け入れ、大豆が生産時投下した約4倍のエネルギーをつくり出し、単位当たり蛋白質が高いため、カーボンニュートラルや食糧難解決につながるという。30年後、AIやIoT、MDXなど空前のレベル。アップデートでデータ解析が進み、キッコーマン並みの収益さえ考えられる。一にも二にも初動形成。22~23年が決め手。後半本格化する見通し。
2022年9月期(連結)は、売上高309億9600万円(3.0%増)、営業利益3億3200万円(12.4%減)、経常利益3億0700万円(24.3%減)、純利益1億7600万円(0.3%減)と従来通り。期末配当30円の予定。設備投資9億0300万円(前期19億2600万円)、償却14億4500万円(同14億4200万円)の計画。22、23年こなすと社運上振れ。この間、社長がエネルギー全開と出ており興味深い。願ってもない取り合わせだ。※10月12日発表予定の決算にご注目ください。