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企業レポート

連結収益好転 スズケン 4月19日 (2022.04.18)

新年度切り返す公算大 
トップ交代を表明し堰を切る
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 スズケン(9987)は連結反転。2月9日トップ交代を表明。新年度切り返す公算大だ。コロナ禍・ウクライナ危機をしのぐもので、前期第2・第3四半期の収益好転が走り。5月11日の決算発表が注目される。第3四半期累計比較で主力の医薬品卸売事業の営業利益構成比が27.0%(直前期34.5%)に後退。さらに改善が続く上、医薬品製造事業や保険薬局・医療関連サービス等事業の拡大が見込まれ、中長期光明を見出した。6年ぶりトップ交代。4月1日、浅野新社長(55)が就任し6年若返った。主力の医薬品卸売事業90年の歴史から「お得意さまに学ぶ」指針のもと、市場が気づいていないニーズを客観的な立場で提案。第3四半期累計営業利益率0.13%に過ぎない。しかし、逆境を乗り切り反転。抗悪性腫瘍剤の市場拡大や難病治療向けスペシャリティ医薬品、流通に物流など社会の課題を解決できる新たなポジションに踏み込んだ。新社長のリーダーシップによるもので、DX(デジタルトランスフォーメーション)と同ビジネスを重視。文化の継承と新文化醸成に全力を挙げるという。前回、創業(1932年)、上場(1997年)に続き第3の創業と述べた。従来の「取引」から「取組」に舵を切りソリューションビジネスを目指す。主力の医薬品卸売事業で辛酸をなめただけに堰を切った印象。デジタル化の進展によりピッチが早い。前中期成長戦略「One Suzuken 2019」をベースに2025年ビジョンに向けて動き出した。懸案の医薬品卸売事業でカテゴリーチェンジを目指すのが一例。ジェネリックでも東邦HDと合弁で新たなビジネスモデルを構築。第3の創業に向けて続々新事業を立ち上げる構えだ。24年3月稼働予定の首都圏物流センター(埼玉県草加市)も一環。約200億円投入し本格的なもの。創立100周年(2032年)の布石になりそうだ。
 2022年3月期(連結)は、売上高2兆1513億円(1.1%増)、営業利益69億円(24.6%減)、経常利益160億円(12.4%減)、純利益120億円(52.0%増)に変わりない。配当72円(期末36円)を据え置く予定。設備投資199億円(前年度実績70億円)の計画。3月30日、公取委から課徴金納付及び排除措置命令を受けあく抜け。信頼回復に全力を挙げる。新年度予断を許さないが、何が起きても乗り切る構えで心配ない。初代運の会社で先輩より後輩に恵まれ遅咲きの花。上場から28年数え、人口動態でいうボーナス期が本格化。10~20年びくともしない。新社長も22~23年エネルギー全開。粒揃いの人材と一体になって高みを目指す。前期を初動に10年先のきっかけをつかんだ。医薬品最大手の武田薬品(4502)と取引がない。ユニークな小野薬品(4528)と相性が良く、エーザイ(4523)との関係も気になる。
※5月11日発表された決算にご注目ください。

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