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企業レポート

本社工場フル稼働 エイケン 3月1日 (2022.02.28)

最高益を更新し一服 
創業50年前後から10年先の初動
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 エイケン工業(7265・JQ)はピーク圏。前期3年ぶり最高益を更新し一服。ウクライナ危機が勃発したものの収まりそうにない。コロナ禍に拘らず本社工場フル稼働。第8工場(2割増強)に次ぎ北側隣接地2000坪を取得し設備投資続行。中長期収益拡大が見込まれる。国内外、半導体不足や原材料、物流費高騰など新車にブレーキがかかり、中古車が見直されているためで、人流集中を避ける上で大量輸送が敬遠され、国内大手3社に残存者利益がうかがえるのも事実。同社は補修用フィルター3強の一角。10年前の売上高47億円が前期68億円(+44%)に上振れ。量産技術の向上が急務になった。他社と一線を画し2016年ヤマシンフィルタ(6240)と業務提携。18年トヨタ紡織(3116)から品質優秀賞を受賞。以来取引が増加し前期トータル数億円規模。コロナとウクライナの顚末次第で急増する公算もある。リーマン危機から10年、長期デフレや東日本大震災、浜岡原発全面停止など増強投資により吸収。前向きな経営で地域に貢献してきた。半年前から米国の行き過ぎた金融緩和と拙速な利上げ、ウクライナ危機によりインフレに転換。世界恐慌やハイパーインフレ、第3次大戦説など逆回転。カーボンニュートラルを掲げながら、電力需要増大とエネルギー・原材料高騰から浜岡原発再稼働も考えられる。5年前、次世代のリーダー7人が8ヵ月の研修を修了。創業50年前後から10年後の初動に入った。現在50歳前後の取締役が主力でフィルターやバーナーのほか新事業開発に意欲。EV(電気自動車)移行を踏まえ20年後に備えるものだ。1997年の上場から25年、同社にとってメジャー級の人材が並んだ。10年や20年びくともしない。自動車やバイクのエンジンオイルや燃料フィルター、エンジン用エアフィルターが主力。建機、農機、産機をカバーする各種エレメント全て日本製で性能維持と長寿命化に貢献。多品種小ロットや新製品立ち上げのタイミングに定評がある。輸出(前期推定56.7%)を円建てで通しアジアとヨーロッパに強い。EVの掛け声と裏腹に国内外充電ステーションのインフラが不十分。このため、エンジン車の需要が根強いという。静岡県の上場企業52社。御前崎市唯一の存在で地元の期待を一身に集めている。
 2022年10月期(非連結)は、売上高63億6000万円(6.5%減)、営業利益3億3000万円(41.9%減)、経常利益3億5000万円(40.8%減)、純利益2億4400万円(42.5%減)と慎重な見通し。配当を110円(前期140円)に戻す予定。設備投資2億5000万円(前期2億7300万円)の計画。鋼材やゴム、資材など原材料高騰を織り込んだもので期中平均4%値上げ如何だ。中長期明るいだけに落ち込んでいない。前期末、まとまった一時金が支給された模様で従業員(239人)に高揚感。トヨタ(7203)の春闘「満額回答」に通じる。社運によると、2022,23年上昇運。願いごとが叶うという。早馬社長(65)が脱皮。生まれ変わると出ている。オーナーや地元もステークホルダー(利害関係者)で、今年もオーナーからバレンタインデーに沢山チョコが届いた。地元で昨年浜岡中学校と学校給食センターが完成。御前崎灯台が国の重要文化財指定を受けた。※9月5日発表された決算にご注目ください。

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