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企業レポート

スタートダッシュ 岡谷鋼機 1月1日 (2022.01.01)

全セグメント締まる 
若手の成長を原動力に中長期よし
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 岡谷鋼機(7485)は巻き返し。31年ぶりトップ交代タイムリー。連結3四半期連続上振れだ。コロナ禍、製造業の生産回復を受け鉄鋼、情報・電機、産業資材のほか直接影響ない生活産業も健闘。全セグメント締まっている。創業352年目。第14代岡谷社長(48)のデビュー戦。GIC2025(グループ新5ヵ年中期経営計画)によるもので、グローバル・イノベーション・チャレンジに伴う新たな価値の提供に挑戦。ホロスコープ(天体配置図)によると10年先の初動だ。22、23年が前途を左右するとみられ、Gih-2020(同前中期経営計画)が未達だけにスタートダッシュ。若手の成長が原動力と考えられる。100人100色といわれ、市場ニーズに対しシーズを提供。めいめい任され知恵を絞っている印象。中長期楽しみだ。21年9月末当時連結売上高9000億円・純利益150億円に対し、25年度同1兆円以上・同200億円以上が数値目標。さらに現地・現物・現人主義の浸透が見込まれ、1兆円より200億円の付加価値が注目される。前社長(現相談役)就任から5年後1995年に上場。当時のエピソードが残っている。社員もどうしたらいいか随分考えたようだ。この結果、上場体験を通じて利益より世の中の役に立てば対価がついてくるようになった。当時1割なかった海外取引が直近3割強。国内がITやAI、IoTにシフトしても海外で雇用優先なら棲み分けの必要がある。OB・OG会のほか50回忌までおつき合い。若手に山ほど期待しているが、何でもやってみることが先決という。1990年から「失われた30年」社長を引き継ぎ21年見事バトンタッチ。1周目ゴール目前だ。21年8月、野村不動産・矢作建設工業(1870)と共同で7年がかり「JR春日井駅南東地区再開発事業」が竣工したほか、同11月菱栄工機の株式取得(子会社化)、同12月旭精機工業(6111)との資本業務提携を発表。社運によると、22年人とお金と情報が自然に集まってくる。人の役に立つことに喜びを覚える。頼られると本領を発揮する。鍛えられるほど強くなるという。創業来、地域社会との共生を重要な経営課題にしている。上場が画期的。国内外、Old meets New。つぶよりの人材が集まっているためで、20年代から人口動態でいうボーナス期。10、20年若手が活躍し最高益更新が予想される。21年社長就任から10年刻み。31、41年にかけてクライマックス。現在、初動形成大詰めという見立てだ。江戸時代から受け継がれる「日誦五則」(当時の社訓)が興味深い。外を飾らず心を磨くべし 分限を知り贅(勢)を慎むべし 虚を憎しみ誠を重んずべし 働くを楽しみ懶(らん)を羞(しゅう)とすべし 責任を知り力を協すべし。自分だけ稼ぐのでなく腹八分目。地域や取引先が満たされてこそ自分たちも存在するとの意。江戸時代、名古屋が大火事に見舞われ在庫商品を供給。トヨタ(7203)が経営難に陥った時も部品や設備納入を続け地域やまわりを考えて感謝された。最近国レベルでサステナビリテイ(持続可能性)が問われる中、何が起きても周囲を立て互いに乗り切るDNAが素晴らしい。一般的に企業の平均寿命30年。世界で創業100年以上8万余。日本が41%占め200年以上65%。ダントツだ。一度も植民地になったことがなく、長男の家督相続が主因といわれる。

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