中山鋼と信頼関係 中部鋼鈑 11月24日 (2021.11.22)
60年に一度のチャンス
新電炉でカーボンニュートラル
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中部鋼鈑(5461)は後半確り。巻き返す公算が大きい。11月1日修正発表によるもので、粗鋼生産回復に伴う単価上昇や数量増、コストダウンが主因。11月契約分厚板トン5000円値上げ、鉄スクラップ同一律500円値下げに明らか。逆風から順風になりかけた。国内外、財政支出に伴う厚板需要が顕在化。中長期拡大する見通しだ。国内の4~9月期粗鋼生産4842万トン(30.6%増)。コロナ前より4.4%減だが直前期並み。10~12月期自動車減産を織り込み2411万トン(9.6%増)の見込み。反転のきっかけをつかんだ。一方、中国の鋼材価格が恒大問題の影響から10月2割強急落。製品在庫が積み上がり、鉄鉱石が5月高値から直近6割安。もはや、21中期経営計画に盛った持続可能な基盤整備待ったなしだ。循環型社会に貢献、ESG/SDGs課題に対する取組強化と同時進行。中山製鋼所(5408)との業務提携を通じて成長戦略を打ち出した。新計画の販売数量70万トン、連結経常利益40億円、同配当性向30%(2024年3月期)など数値目標。前中期目標同60万トン(18年度61万トン)、同40億円(19年度47億円)、同25%(毎期達成)をクリア。既存インフラの改善改良でやり切った。新計画によると、60年ぶり国内最大級200トン電炉更新が目玉。世界初で最新鋭の環境対応型高効率が評価され、経産省が先進的省エネ投資促進事業と認めた。電力原単位15%をはじめ騒音低減10%、ダスト20%減など合理的な設計になっている。事実上2割増強に相当し総投資約70億円。補助金つき。中山鋼のスラグ(鋼片)提供年10万トン体制。23年秋から本格稼働の予定だ。国のカーボンニュートラル構想を受けて高炉から電炉見直しが目立つ。CO₂排出量が高炉の4分の1、厚板の9割高炉が占めているためだ。同社のシェア上昇が温室効果ガス削減につながり、小ロット・多品種・短納期生産に磨きがかかる。中山鋼といえば、1971年の仕手戦で上場来高値3800円をつけ、糸山英太郎氏と近藤紡社長が解け合い。50年後、いい縁につながった。周囲も信頼関係を認めている。双方連携が進み3大都市圏の顧客をひきつけると、電炉30社のダークホース。中長期新電炉にかかってきた。社運によると、22年新たなスタート。人と情報とお金が自然に集まってくる。早ければ24年夢が現実になるという。中山鋼も低迷から抜け出し新しい自分を生きる旨の上昇運。天もやれという。新電炉に例えると60年に一度のチャンス。目下、10年先の初動と考えられる。
2022年3月期(連結)は、売上高661億円、営業利益54億円(109.7%増)、経常利益53億円(109.2%増)、純利益34億円(113.4%増)に見直した。収益認識に関する会計基準を適用。売上高の影響軽微。19円増配し配当37円(期末25円)の予定。設備投資14億7300万円(前期17億5100万円)の計画。すっかり胸襟を開いた。しばしば述べる国内最大級200トン電炉や世界でユニークな製鋼、圧延直結プロセスの連続鋳造設備など系譜が興味深い。創業の経緯が名古屋の鉄道建設。この先アジア大会(22年9月)やリニア、名古屋再開発など新たな手掛かり。地元から東西に顧客が広がりそうだ。※2月2日発表された決算にご注目ください。