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企業レポート

100年前と瓜二つ 大宝運輸 10月12日 (2021.10.11)

ピンチのあとチャンス 
コールドセンターにゴーサイン
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 大宝運輸(9040)は一陽来復。10月1日規制解除を受けて反転目前。後半きっかけをつかんだ。ミクロで東郷コールドセンターの黒字転換が見込まれ、温度管理集約効果が表面化するためだ。マクロでエネルギーや食料・原材料などインフレも考えられる。2019年10月、創業100年。翌11月次の100年を見越して立ち上げた同センターが一時費用の大幅増加に見舞われ、再三コロナ規制の影響を受けながら乗り切ったのが現状。規制解除のほか、自民党総裁選や総選挙、来年7月参院選も追い風とみられ、国内待機資金20兆円に財投数十兆円といわれる景気対策も新たな手掛かり。ピンチのあとチャンスがやってくる。2021~22年、10年先の初動になりそうだ。02年自社倉庫を改造し、三温度帯(常温25度・冷蔵5度・冷凍-25度)物流を開始して20年。三好(愛知県みよし市)、大高(名古屋市緑区)、四日市支店(三重県四日市市)に分散する冷凍・冷蔵倉庫の集約を図る一方、食品メーカーや小売店、外食産業など中部圏で定温物流センターの一角に名乗りを上げた。延べ30億円投入し床3000坪・鉄骨造り・地上2階建て。複数の金融機関から25億円調達。期間20年で無担保・無保証の折り紙つきだ。8年前和合塾が30年の幕を閉じて最強のメンバーが残っている上、1996年の上場から25年。40代後半を筆頭に優秀な人材が中枢を占め、これから20年人口動態のボーナス期に差しかかる。先々代が1920年愛知県西尾市一色町の「大宝橋」で創業し、32年名古屋市中区丸の内に本社を移転。33年全国初の名古屋-東京間路線免許取得につながった経緯と瓜二つ。先祖から受け継いだ使命とも受け取れる。100年たって大や小でなく中規模に見合う体質。自社の特徴を生かす市場を開発しステークホルダー(利害関係者)がいきいき働く会社を目指すという。仕事が人間を豊かにする旨実体験でわかる仕組みだ。
 2022年3月期(非連結)は、売上高80億5000万円(0.5%増)、営業利益2億9000万円(65.1%増)、経常利益3億円(58.9%増)、純利益1億5000万円(28.3%増)と従来通り。上方修正を期待できる。配当100円(期末50円)を据え置く予定。巣ごもり需要が一服したほか、規制明け酒類をはじめ飲料の伸び悩みやトヨタ減産の影響もある。全日本トラック協会によると、4~6月期の景況感-22.6%。前回-41.0%から18.4%改善したものの7~9月期-34.5%の見込み。年末年始上向くとみられ、中長期ビジネスチャンス。コールドセンターに定温物流の集約が進み、新規顧客開拓いかんで次の100年が回り始める。逐一DX化も進み収益改善を後押しする見通し。同社の運勢によると、正統派で伝統を重んじ過去を大切にする星。2022年後半上昇運入り。中長期運気好調だ。小笠原社長(53)も好調。創業から12年後とオーバーラップ。コールドセンターにゴーサインが出ている。何が起きてもやるしかない。※4月28日発表予定の決算にご注意ください。

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