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企業レポート

コロナ前に戻す 岡谷鋼機 10月11日 (2021.10.08)

びくともしない新体制 
現地・現物・現人主義浸透し好調
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 岡谷鋼機(7485)は連結好調。全部門増収増益の折り返し。いち早くコロナ前の水準に戻した。9月30日の上方修正によるもので、主力の鉄鋼が35.3%増収のほか、情報・電機31.1%、産業資材12.8%、生活産業も10.9%増収と様変わり。就中、116.5%営業増益が目立つ。コロナ禍、現地・現物・現人主義浸透。国内取引23.2%・海外も31.3%伸び、従業員1人当たり当期利益が77%増加するなど記録尽くめだ。3月1日、岡谷健広氏(おかや・たけひろ=47)が14代目の社長に就任し新体制。10年先の初動に値する。GIC 2025 (新中期経営計画)に与するもので、国内外グローバル・イノベーション・チャレンジを通じて新たな価値の提供に挑戦。2021年度連結売上高9000億円・純利益150億円に対し、25年度1兆円以上・200億円以上が新たな目安。Gih-2020(前中期経営計画)未達のため、同等の数値目標を掲げやり切る構えだ。4セグメントの事業戦略に環境・社会・ガバナンスを踏まえ中長期サステナビリティ(持続可能性)にも言及。創業(1669年)来、地域社会との共生を重要な経営課題にしている。コロナ後、米中対立や新政権に伴う経済合理性を超えたものでアップデート。同社の運勢によるとゴーサインが出ている。2021年、自信を持って前向きに行動する年。チャンスで上昇運が続くという。後半自動車減産の影響やアジアでコロナ収束の遅れもあり慎重だが、海外取引拡大(直近32.7%)と相俟って現地完結型ビジネスにシフト。1995年の上場以来四半世紀を数え、国内外で優秀な人材がレギュラークラスに成長。人口動態でいうボーナス期に入った。これから10年や20年びくともしない。最高益更新が見込まれる。前社長は、同社にとって上場が最大の出来事と言って憚らない。人材が層をなして活性化。10年後、新社長の人脈がフル稼働に入るわけだ。グループに大谷でなくても中谷や小谷が結構いる。
 2022年2月期(連結)は、売上高9000億円(18.4%増)、営業利益190億円(39.9%増)、経常利益230億円(25.7%増)、純利益150億円(20.7%増)に見直した。5円増配し230円配当(中間115円)の予定だ。中国恒大と直接取引ないが影響不透明。米中対立のさなかで同社の子会社現地で確り。6度納入延期とボーイング減産を受けたMSJ(三菱スペースジェット)関連然り。コロナ禍、事業凍結に拘らず再開に備えている。何より設備投資が増加しており、直前期63億円(償却38億円)に対し前期88億円(同35億円)、今期137億円(同37億円)にのぼる。ものつくりに不可欠な事務所・土地等のほか工場設備、物流倉庫、システム関連などダイナミック。健康経営優良法人2021に認定された。回復が見込まれる製造業の生産活動に向けた対応とグローバル市場の次世代自動車、脱炭素、DXなど変化や取引先ニーズの把握が課題という。後半締まるとスタートダッシュ。来年4月、東証と足並みを揃え名証最上位「プレミア」に移行する見込みだ。

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