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企業レポート

収益拡大に弾み マキタ 10月5日 (2021.10.04)

世界3強の一角で異彩 
中長期OPEの伸びしろ大きい
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 マキタ(6586)は青天井。連結収益拡大に弾み。連続ピーク更新の見通し。前期最高益を計上し7月30日上方修正。10月1日コロナ規制解除を受けたもので、1ドル111円(従来105円)の円安も追い風。中長期大化けも考えられる。昨年来巣ごもりやDIY、天災のほか建設・建築現場の需要増が見込まれ、中長期「カーボンニュートラル」(2050年)に向けて充電製品の普及急ピッチ。願ってもないポジションにつけた。電動工具の切り替え需要が広がる中でOPE(園芸用機器)の成長が本格化。足元で連結売上高の13~15%程度とみられ当面20%が目安。世界の市場規模4兆円(電動工具2兆円)といわれ伸びしろが大きい。リーマン危機直後の連結売上高2458億円から10年で収益が倍増し一段とスケールアップ。今期750億円(前期498億円)の設備投資により8000億円レベルが視野に入った。コロナ禍感染拡大に伴う行動制限措置を受けながら連結従業員18,624人(2021年3月期)をリード。乗り切ったのが大きい。事実、4~6月期連結45.9%増収、82.3%営業増益。営業利益率15.3%で同期トヨタ(7203)の12.5%を上回る。主力の国内18.7%増収に欧州57.1%と北米44.1%増収が光る。国内生産8%(海外92%)。10年後100%充電化、DX浸透に向けて拍車がかかり、営業利益率20~30%も夢でない。2015年(創業100年)を境に次の100年を巡る初動。10年後を先取りするもので、9月17日7050円の年初来高値をつけた。16年1株を2株に分割しおり実質上場来高値を更新。直近PER25倍で割高感も後退。総選挙前に新政権が数十億円規模の経済対策を発表する見込みで青天井に変わりない。同社の運勢によると、簡単に自分を譲らない頑固さの持ち主。芯の強さがあり、独立独歩の生き方を大切にしている。座右の銘がおこるな いばるな あせるな くさるな まけるな。人材育成、育児支援、ダイバーシティの推進に熱心で、外国籍社員雇用、女性の活躍(勤務年数16.8年で男性17.2年と並びマネージャークラス190人以上在籍)が現状。2027年、後藤社長(46)就任10年から真骨頂を迎える運びだ。初動形成が興味深い。
 2022年3月期(連結)は、売上高6500億円(6.8%増)、営業利益885億円(横ばい)、税引き前利益880億円(0.9%増)、純利益632億円(1.9%増)に見直した。中間配当10円に期末連結配当性向30%(前期計69円)が基準。当初より6.6%増収、同営業増益だが、半導体や材料高、コンテナに物流コスト高騰など加味して下期慎重。米国の構造的な債務上限や中国も恒大問題に電力不足が尾を引くためだ。中国の場合、当局が日本企業引き留めに危機感を強め、同社も十分承知している。22年末にタイの生産能力を引き上げ、トータル増強を打ち出した。来期の設備投資一服。前期並みという。エンジンに匹敵する高出力充電池を搭載したOPEを続々投入。世界3強の一角で異彩を放っている。※1月31日発表される決算にご注目下さい。

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