証券ビュー

企業レポート

人材揃いピーク更新 矢作建設工業 8月18日 (2021.08.17)

コロナ明け中長期妙味 
パンウォール防・減災、強靭化に威力
企業HPご案内   前回の企業レポート  
 矢作建設工業(1870)は計画線上。コロナ明け中長期妙味。完工倍増が見込まれる。5月10日発表した中期経営計画・長期ビジョンによるもので、5年後連結売上高1300億円・10年後同2000億円を視野。夢が現実になりそうだ。コロナ禍、筆頭株主名鉄(9048)が交通やレジャー・サービスなどグループの抜本的な事業再編に取り組み、今期から3年越し反転攻勢を表明。名鉄名古屋駅再開発計画の修正と着工延期を決めた。計画通り2022年着工なら準備を含め全面見直し。コロナが天命に値する。当初2027年リニア開業(品川~名古屋)を明らかにしたJR東海(9022)然り。10年後を左右するもので、ステークホルダー(利害関係者)に変わりない。前半正念場とみられ仕込みの好機。同社の場合、4月から全社員対象に定年を65歳(従来60)に延長した。人口減少や少子高齢化の布石だが、1982年の上場から40年数え人口動態でいうボーナス期。これから10年稼ぐ世代がピークを更新する見通し。絶好のポジションにある。10年後のビジョン課題解決・価値創造企業をテーマに前半基盤構築(中期経営計画)。後半収益拡大が加速する設定。単体とグループ7社でこなす設計・デザインに定評があり特命受注が増えている。規模拡大も事実で2004年公共工事脱却からデザインC浸透。マンション建設をはじめ不動産開発、耐震工事、鉄道土木、リニモ軌道などワンストップ。今年1月、三重県桑名市の自社開発用地に伊藤忠(8001)の運営するカインズ専用物流施設を誘致し注目された。上場後パンウォール(1993年)やピタコラム工法(1996年)開発で知られ全国レベル。ピタコラムが学校耐震の代名詞になったほか、パンウォールも防・減災、国土強靭化に威力。東日本大震災をきっかけに施工実績急増。九州中心に西日本一帯の豪雨でパンウォールの法面が脚光を浴びた。中期経営計画によると、2025年度の営業利益100億円。20年度が73億円で営業利益率6.84%から7.69%に上昇。一般ゼネコンの倍以上といわれる。2012年に60年余り続いたオーナー経営から脱皮。ざっと10年でトップをはじめベストメンバーが揃った。2019年に70周年を迎え、コロナ後80、90周年が見もの。6月29日の総会で役員に業績連動型株式報酬制度の導入が承認された。4~6月期(連結)2.1%増収に対し58.6%営業減益、57.9%経常減益、57.1%減益だけに踏ん張りどころ。前期好調だったマンションの反動で問題ないが、2021年すべて整理整頓と出ており筆頭株主も同運。各自与えられたポジションで花を咲かすほかない。高柳社長(59)が昨年に続き上昇運。23年様々な幸運が集中する見込み。6月に熱中症リスクを軽減するユニホームを導入。半袖半ズボンにインナーシャツの構成。結構受けている。
 2022年3月期(連結)は、売上高960億円(10.0%減)、営業利益50億円(32.1%減)、経常利益同(32.8%減)、純利益34億円(3.3%増)の見通し。配当34円(中間17円)を据え置く予定。前中期経営計画(2018~20年度)で建築、土木、不動産揃って収益拡大。ピークを更新し次の足場ができている。

>>購読ご案内