設備増強巻き返し カネソウ 7月27日 (2021.07.26)
事業100年の助走
免震構造建築用EXジョイント
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カネソウ(5979)は巻き返し。コロナ禍、設備増強が新たな手掛かり。中長期光明が見えた。2022年1月完工(21年8月着工)を目指すもので、本社工場敷地内に新鋳造工場・付帯設備約6億円規模。国内安定供給と鋳造技術の向上を目指し、海外委託分と合わせ生産性向上を図る。事業100年(1922年創業)の助走になりそうだ。2013年以来、五輪・パラリンピックや三重国体、大阪万博、リニア開業など一通り織り込んだ。EXジョイントを防災関連製品の目玉にじわじわシェア上昇が見込まれる。国内の建設投資額によると、1992年84兆円をピークにリーマン危機直後半減。2016年52兆円まで戻し20~21年度63~62兆円レベル。コロナで民間が落ち込み公共投資に軸足が移った。20年2月以降、飲食店、ホテル・旅館、アパレルの不振が目立ち土木確り。戦後横並びのインフラ更新待ったなし。13年3.6兆円のメンテナンス費用が33年6兆円の見通し。同社の場合、例年4~6月期年度末の反動をもろに受けるほか、コロナの影響で新規着工減、工事遅延、一部停止など採算悪化。感染防止に追われながら業務効率化、生産性向上、受注確保、新製品開発、市場対応など拍車。時差出勤、テレワーク、消毒スプレー、対面よけのレイアウトにも工夫がみられる。1997年市場投入された免震構造建築用EXジョイントが同年名証上場と軌を一にして主力製品に成長。即日出荷やオーダーメイドに応え多くの企業と取引拡大。オフィスビルや庁舎、商業施設など国内多くの建物で人々を地震の脅威から守っている。受注実績が大手ゼネコンや設計事務所の依頼によるもので、直近5年採用定着率向上。上場後新卒者が40代半ばで過半を占めるところから10、20年後シェア一段と上昇。伸びしろも魅力だ。中長期、AIやDXでデジタル化浸透により営業利益率が跳ね上がる。6月25日の株主総会で代表権を解かれた取締役名誉会長(93)も一息ついた。
2022年3月期(非連結)は、売上高70億円(7.7%増)、営業利益4億円(116.1%増)、経常利益4億1000万円(177.6%増)、純利益2億7500万円(29.8%増)の見通し。配当150円(中間75円)を据え置く予定。設備投資9億円(前期2億0200万円)、償却3億円(同3億0900万円)の計画。売上高構成によると、鋳鉄器材18億円(3.7%増)、スチール機材12億円(5.1%増)、製作金物36億円(12.0%増)など軒並み反発の気配。目先に限らず中長期よし。東日本大震災(2011年)をきっかけに防災ニーズが広がり使命感もうかがえる。2021年、運気好調で油断大敵。現実の世界に強く積極的に結果を出す年という。近藤社長(65)が今年後半から上昇運。数年後最高潮とあって楽しみだ。上場後過半に達した若手の成長が最大の魅力。次の100年をリードする。免震EXジョイントに限らず新製品続出。トータル6500種。安心、安全な暮らしに欠かせない製品ばかりだ。