10年先の初動 中京医薬品 7月20日 (2021.07.19)
平常と同水準の稼働率
時代の流れが変わり客単価上昇
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中京医薬品(4558・JQ)は復調。前期、事実上10年先の初動。3期目を数える。コロナ長期化に見合っており平常と同水準の稼働率。改めて置き薬の利便性が見直され、必要性も高まった。直前期立ち上げた新体制によるもので、業務効率や勤務形態改善、IT活用による営業支援・教育・新商品開発など1人当たり生産性向上が伏線。2期目で営業・経常利益が中期計画(2022年3月期)を上回っている。昨年11月行使完了した新株予約発行権約5億円投入が中長期の布石。除菌用アルコールジェル(消毒)製造設備更新、本社物流倉庫・売水事業同建替、本社屋・半田ウォーターショップ建替に充当するもので、順調なら2022年3月揃って完工の見込み。今、来期仕込みに明け暮れそうだ。昨年10月高知県の調剤薬局とFC契約したほか、4月に栃木県のテリトリーを移管しつくば営業所オープン。愛知県半田の担当エリアを移管し豊川ウォーターショップを開設するなど出店活発。配置薬の市場規模が1995年663億円をピークに2013年226億円まで落ち込み、さらに底入れ7年。富山をはじめ奈良・滋賀も息を吹き返し客単価上昇。時代の流れが変わり始めた。今後ソリューションビジネスでないと続かない。前期から高齢社会と連動しフレイル(加齢に伴う認知・身体機能の低下)にマッチした「加圧玄米」売出し中。主に筋肉で代謝されエネルギー源となる必須アミノ酸が受けておりエビデンス効果。九州、関西、関東でもアタリがきている。今期7月投入した薬屋さんが考えた有機野菜酵素も興味深い。琵琶湖のほとりで32種類国産有機野菜と果実を2年以上かけ発酵熟成したもの。pH2の強酸が取り柄で腸まで届くという有機JAS認証お墨つき。1984年、広島県因島で300年続いた造り酒屋が23年かけて万田酵素を完成したのに次ぐもの。琵琶湖は富士山と並ぶ日本の水瓶で先史時代から世界的な古代湖。ものによると、因島をしのぐ公算もある。第3、第4の商品も出番待ち。何より人材が育ってきた。1997年の上場によるもので、人口動態によるボーナス効果が具体化。今後ゆうに20年続く。地元の愛知県中心に61の拠点(2021年3月末)を通じて全国から人材を集め、6月25日の総会で国税局・税務署の要職を歴任した女性を社外取締役に迎え今、来期もう一皮むけそうだ。2025年に団塊の世代が後期高齢者になるとクライマックス入り。配置大手の一角が320年以上続く置き薬のアップデートに挑戦。数年後、様変わりとみられる。
2022年3月期(非連結)は、売上高58億円(0.5%減)、営業利益2億3000万円(2.2%増)、経常利益2億4000万円(0.8%増)、純利益1億2000万円(27.7%増)の見込み。配当5円(中間2.5円)の予定。4、5月前期急伸の反動を受けたものの6月から出直り。10~12月期需要期を控え、7~9月期乗り切る構えだ。中長期目鼻がつきやる気十分。社運よし。会長(76)、社長(57)が同運で2021年から右肩上がりだ。