今、来期踊り場 三谷産業 7月13日 (2021.07.12)
中長期さらに収益拡大
ピークに向かう人口ボーナス期
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三谷産業(8285)は一服。今、来期踊り場。中長期さらに収益拡大が見込まれる。次の100年(創業1928年)を巡るもので、前期連結営業・純利益上場来最高。再スタートに向けてカウントダウンに入った。当面新収益認識基準適用により約20億円減収、新規・既存事業投資や人員増強など減収減益で臨んでいるが、主力の化学品をはじめ情報システム、空調設備、樹脂・エレクトロニクス関連など6事業揃って比較的確り。コロナ禍、テレワーク、時差出勤、フレックスタイムなど意外に健闘している。前回述べた国内約40億円、ベトナム同30億円の先行投資が主因。グループ連携強化により逐一リターンをもたらしている。2017年6月トップ交代から10年目がターニングポイント。1988年の上場来40年を数え、人口動態によるボーナス期がピークに向かうためだ。創業者、会長に続き3代目がこれまで100年をアップデートするもので、今年3月ルーツの石炭をベースに「Carbon」(雑誌とweb)を創刊。一般企業とベンチャー、スタートアップを結ぶ架け橋にしたいという。SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)、2050カーボンニュートラルにも呼応。人材に関して若手から生涯現役世代まで年齢上限なし。60~65歳でも昇給する仕組みだ。次の100年を念頭にカウントダウンを通じて6事業生まれ変わる見通し。
前期目立ったのが情報システム関連事業。受注高117億0300万円(38.7%増)に対し同残高64億6200万円(25.7%増)。パワーエッグのほか文教特需、基幹システムなど大型案件更新もあり、営業利益12億9900万円(35.9%増)を計上。パワーエッグ導入1426社(54社増)を数えた。グループのディサークルが2000年に発売し20年余り。むしろ、コロナ後まとまった需要が予想される。情報システム事業を立ち上げたのが1966年。富士通(6702)と販売特約店契約を結んで以来半世紀以上の関係。量子コンピュータの時代を迎えもう一皮むける。化学品関連事業も目を離せない。富士フイルム(4901)と組んで「アビガン」が承認待ちなら、今年5月完全子会社になった「アクティブファーマ」に対しジェネリックをはじめ新薬、長期収裁品開発まで視野に入った。7月9日、ベトナム・ホーチミンで2週間ロックダウンが伝えられたものの中長期問題ない。ADB(アジア開発銀行)が発表したベトナムの2021年GDP見通し6.7%増。東南アジア主要6ヵ国で最も高い伸びになる見込み。同国の人口ボーナスが2035年だけに次の対応も考えられる。
2022年3月期(連結)は、売上高800億円(0.7%減)、営業利益19億円(26.0%減)、経常利益25億円(25.4%減)、純利益16億円(29.3%減)の見通し。上方修正を期待できる。配当9円(中間4.5円)を据え置く予定。設備投資は前期36億1800万円実施しており、今期も引き続き積極的な投資を実施する予定であることから、前向きな減収減益で心配ない。6月15日の総会により30代の取締役が誕生し新体制のダークホース。10年後が楽しみだ。社運が独立独歩。自立を促している。何ごとも前向きで自信を持って行動する年。新たなスタートにふさわしい。同社にとって内側より外側にいる相手によって導かれるという。※4月28日発表予定の決算にご注意ください。