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企業レポート

中長期上放れ 太陽化学 7月1日 (2021.07.01)

コロナ禍営業経常最高 
健康食品業界も本物の時代を迎える
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 太陽化学(2902)は踊り場。コロナ後連結収益拡大の見込み。追ってピーク更新が見込まれる。前期営業・経常最高益を計上。第4、5波も抜かりない。昨年初対策本部を立ち上げリスク管理バージョン延べ29回。逐一改善・改良が進んだ。食品素材メーカーとして安心・安全が使命。2012年、市場変化に対応、グローバル化、品質管理、環境、人材育成、業務改善6項目を掲げ10年。懸案の不採算品見直しが一巡する一方、2019年2月MEK(メチルエチルケトン)漏洩事故を収拾。原因究明と再発防止に取り組んだ。事実上、ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)を先取りしている。前期目をむいたのがニュートリション事業。治療・栄養・介護・高齢者用食品向けカテキン(緑茶抽出物)、テアニン(機能性アミノ酸)、ミネラル製剤など売上高85億7000万円(前期同比7.9%増)。営業利益22億1500万円(同50.9%増)。コロナ禍、国内外で巣ごもり(内食需要)消費が顕在化した。インターフェイスソリューション・アグリフード事業の落ち込みを吸収。前期ティエムティ(持分法適用)に対し約6億円投資損失を計上しあく抜け。今期原材料値上がりと償却負担増を材料に減益予想で慎重だけに後半次第。前期営業・経常最高益の実力が顔を出すとみられる。2018年当時から病院や介護施設向け植物繊維出荷№1といわれ、海外30ヵ国以上に市場拡大。国内約5000にのぼる。今後世界レベルで高齢化が進み、団塊の世代が後期高齢者に入る2025年から本格化。中長期上放れる公算が大きい。アルツハイマー(認知症)と似た構造にある。1986年の上場から35年数え、外部の人材が60前を筆頭に稼ぎ頭。人口ボーナスの影響も大きい。設立来75年を数え、研究開発型企業の面目躍如だ。2019年6月、社外取締役に就任した安部啓子氏(74=東大院農学生命科学研究所名誉教授)によると、食品の機能をゲノムで解析し評価。病気予防に役立つ機能性食品を創薬同様数値で科学データに向き合っている。100年前の鈴木梅三郎(1874~1943)を引き合いに、脚気予防のオリザニンがビタミンを生んだ例もあり、基礎から応用でなく応用から基礎が正しいという。化学工業日報によると、半年前同社の界面活性剤がコロナウィルスの高い不活性化活性にかかわる知見データを得てハンドソープへ新提案。前回述べた「サンソフトM-12J」に相当し、2020年に商品化した「TAISET OG-C」(オイル増粘剤)につながる。
 2022年3月期(連結)は、売上高400億円(2.0%増)、営業利益42億円(17.3%減)、経常利益43億円(8.7%減)、純利益30億円(0.3%増)の見通し。上方修正を期待できる。1円増配し51円配当(中間10円)の予定。設備投資20億円(前期38億3600万円)の計画。21年12月から22年10月にかけて南部工場に化粧品原料、新ミネラル製剤、新造粒棟が次々竣工の運びだ。21、22年仕込みに傾注。健康食品業界も本物の時代を迎える。※2月7日発表された決算にご注目下さい。

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