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企業レポート

いち早く助走 木曽路 6月1日 (2021.05.31)

新体制に移行巻き返し 
2021、22年の仕込みに打ち込む
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 木曽路(8160)は巻き返し。総会後、新体制に移行。いち早く助走に入った。コロナを契機に経営資源の見直し本格化。トップをはじめ組織、教育体系、新事業開発など一部始終前向き。逆風が追い風になった。昨年11月、千葉県中心に和牛・国産牛にこだわった焼肉「大将軍」子会社化を発表。国産牛がリーズナブルに腹一杯食べられる「くいどん」と2業態。1月から連結開始だ。昨年12月、から揚げ専門店「からしげ」を統合した焼肉「じゃんじゃん亭」を刺激している。1月に社長交代を発表。3月から吉江会長(73)、内田社長(61)による10年先の初動。役員退任もあり総会後一段とスリム。2月の組織変更・人事異動を加味するとベストメンバーになる。1987年の上場から34年数え、何が起きても対応できる。コロナ禍、度重なる臨時休業や営業時間短縮等で大幅減収になったが、持ち帰り弁当やしゃぶしゃぶ・ふぐ鍋セットに各種イベントなど精力的にこなした。前期テイクアウト延べ60億円の売り上げを計上。全体の約2割に相当し中長期100億円の声。臨機応変に市場ニーズを吸収し「新事業」のアタリを確かめている。日本フードサービス協会によると、2021年4月の外食売上高前年同月比36.7%増。20年60.4%にとどまりコロナ前と比較して2割程度落ち込んでいる。同社の月次売上高によると、19年度比較で4月計60.83%。既存店65.89%。似たような経緯だ。政府が9都道府県に6月20日まで緊急事態延長を表明したものの織り込み済み。当初から国や自治体の要請に従う旨表明している。
 前期(連結)の売上高310億6700万円、営業損失42億1900万円、経常損失35億6700万円、純損失55億7700万円。配当15円(直前期30円)。当初未定ながら、第3四半期計画線に漕ぎつけ健闘の部類だ。外食大手の自己資本毀損が前期ロイヤルHD(8179)300億円、すかいらーくHD(3197)190億円、ワタミ(7752)113億円にひきかえ、同社57億円に過ぎない。自己資本比率50.9%。2021、22年が決め手。外食も2極化に拍車がかかる見込みだ。5月に米国で起きたCPI(消費者物価)4.2%、ビットコイン3万201ドルが日本にとっても先行指標。6月の米雇用統計(5月)発表とSQに反映されるためだ。年後半を示唆するもので、同社にとって未定の第1四半期が決め手。比較にならないが、トヨタ(7203)の世界販売が4月昨年同月の倍。85万9448台で過去最高になった。逆風が追い風になっている。8月上旬、第1四半期発表が興味深い。コロナ後、積み上がった待機需要と余剰資金が世界レベルで顕在化。俗に「黄金の20年代」といいわれる場面がやってくる。最近、米国の役員室や投資グループの会合など楽観的で好景気が10年続くという。眉唾物だが、100年前のスペイン風邪や1820年コレラ、1720年ペストもその後語り草。今回疑似体験を期待できる。同社の運勢によると、何ごとにも前向き。2021年自信を持て。夢が叶うと出ている。1991年、かって「地中海」がピークをつけた日本のバブル期と肩を並べるサイクル。会長・社長も運気好調で2021、22年の仕込みに打ち込んでいる。※2月10日発表される決算にご注目ください。

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