コロナ乗り切ると 大宝運輸 5月11日 (2021.05.10)
中長期初動を形成中 2021、22年前哨戦たけなわ
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大宝運輸(9040)は底固め。中長期初動を形成中。次の100年に光明を見出した。コロナ禍、逆風を追い風に変えた東郷コールドセンターが最大の手掛かり。国策といわれるDX、カーボンニュートラルに匹敵するもので、2050年に現在30代が60代。20代も50代、10代さえ40代。今後30年、日本の主役とみられるためだ。昨年4~6月期コロナに伴う業界の景況感が底割れし、同10~12月期人手不足で同センター立ち上げに一時費用が大幅に増加。洗いざらい前向きに受け入れ、前期純利益1億1600万円を計上し100円配当据え置き。持ち堪えたのが決め手だ。100年前、スペイン風邪(1918~20)のさなかで創業。前回述べたように、1933年全国初の名古屋-東京間路線免許取得につながった。今回、食品中心に酒類が推計1~2割占めこたえたはずだ。にも拘らず、新年度同センター黒字転換を目指しているほか、前期後半「安全神話」が後退した交通・労災事故改善に意欲。年5件以内を目標に掲げた。業界の交通事故発生率がトラック1000台稼働で1件(平均)といわれ、10分の1(日本一)を目指す。同社に当て嵌めると1万台稼働で年7件。非常に高いレベルだ。同センターにこだわると、温度管理(常温25度・冷蔵5度・冷凍-25度)が不可欠な食品メーカー、小売、外食など中部圏の物流センターを視野。三好、大高、四日市支店など連携し集約メリットをひき出すのが狙い。軌道に乗ると同センター敷地内で新規事業も予想される。近隣10支店の梃入れが一巡するや本社(2021年9月新築50周年)再開発も考えられ、次世代と100年の仕込みに余念がない。国のカーボンニュートラルに呼応するもので若手の成長にかかっている。AIや5G、DXの高波を受けてロボット導入が口火を切った。コロナ明け3年といわれ、2021~22年前哨戦たけなわ。100年前「黄金の20年代」と語り継がれ、今回も似たようなケース。社運によると、自ら道を切りひらくことで運気が開く。2021年、時期尚早でじっくり計画を練る場面。小笠原社長(53)も運気好調。社会的活動が吉と出ている。中長期初動を追い風に10年スパンの転換期。コロナを乗り切ると弾みがつきそうだ。
2022年3月期(非連結)は、売上高80億5000万円(0.5%増)、営業利益2億9000万円(65.1%増)、経常利益3億円(58.9%増)、純利益1億5000万円(28.3%増)の見通し。4~6月期計画を上回っている模様だ。配当100円(中間50円)を据え置く予定。中長期、衣食住をコアにエネルギーとケアで新たな100年。新規事業2割も構想の一角。巣ごもりどころでない。同社は中規模の物流会社として顧客ニーズにこたえ、特徴をいかす市場に経営資源を傾注。ステークホルダー(利害関係者)と安心で安全な関係にある。定年延長を検討しており事業拡大にポジティブ。100年前と同様コロナ後大化けも夢でない。2021、22年見ものだ。