新年度入り堅調 カネ美食品 4月20日 (2021.04.19)
通期増収増益の見通し 第1四半期を初動に新たなステップ
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カネ美食品(2669・JQ)は底入れ。新年度入り堅調。通期増収増益の見通しだ。4月5日前期修正発表、同6日月次売上高(3月度)にも明らか。創業50周年を巡る一連の事業見直しとコロナ禍1年を乗り切りWボトム。反転が見込まれる。店舗や工場運営、商品政策、コスト構造などすべて見直し、コロナ禍に見舞われたもので、前期緊急事態宣言下の店舗一時休業に外出自粛等マイナス。密を避ける上で「ニューノーマル」定着がプラス要因。テナント事業で変化する顧客ニーズに対し、ピーク繰上げに合わせた運営見直しの結果、値引きや廃棄ロス改善に繋がった。外販事業も生協向け宅配関連の需要拡大。ファミリーマート店舗が「手巻きむすび」リニューアル、贅沢おむすびシリーズに一定の効果。にも拘わらず断続的な外出自粛により納品の落ち込みが響いた。対前年比で前期の累計売上高89.1%止まり。うちテナント事業95.6%、外販事業82.7%にとどまった。3月度テナント事業同105.7%、外販事業同93.7%の滑り出し。既存工場の設備更新と拡販・損益分岐点引き下げが課題。中長期自動・省力化待ったなしという。日本の生協をたどると、1920年コープこうべがルーツ。1971年ココストアがコンビニ1号店といわれ100年、50年の節目。同社の場合、2011年の旧ユニー創業100周年から10年でかってない転機を迎えた。大株主が旧ユニー・オーナー系から伊藤忠(8001)、パン・パシフィックHD(7522)に移り、食品卸大手の日本アクセス(伊藤忠の完全子会社)も7.5%取得し事業拡大に意欲。過去10年、中食(惣菜)が内食や外食に対し2割以上伸び10兆円といわれるだけに、玉争奪戦になった。外食・中食市場情報サービスのエスピーディ・ジャパンによると、2020年の暦年売上高18.3%減。21年1月26.8%減。昨年4月41.9%減をボトムに5月37.7%減、6月23.6%減、7月19.4%減、8月19.8%減、9月17.5%減、10月8.9%減、11月12.4%減、12月19.2%減。中食に限ると、コロナ前生鮮3品が下降する中で上昇トレンドにあったが、昨年4月緊急事態宣言を境に2極化。消費者の収入が減りテレワークと働き方改革の影響もあって品質のほか価格差も広がる傾向にある。
2022年2月期(非連結)は、売上高780億円(3.2%増)、営業利益13億7000万円(194.2%増)、経常利益14億円(166.7%増)、純利益5億5000万円(169.3%増)の見通し。10円復元し17円配当(中間8円)の予定。設備投資9億3400万円(前期6億3200万円)の計画。前期末の純資産232億円。自己資本比率77.0%(20年2月期74.5%)。無借金で締まっている。テナント事業が安定しており、外販事業(前期の営業損失11億3700万円)の収益改善に見どころ。2019年11月(創業50周年)がターニングポイント。次世代の舵取りに10年かかる。21~22年仕込みの好機。すでに次の山が見える。大株主のパン・パシフィックHDと同運で伊藤忠が上昇運入り。これから2年で雌雄が決まる。コロナ後を左右するもので、第1四半期を初動に中長期新たなステップになりそうだ。