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企業レポート

後半光明見出す 福島印刷 4月19日 (2021.04.16)

増収確保し採算も改善 
IPDPとDMDPの仕込み本格的
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 福島印刷(7870)は底入れ。コロナ禍、差し引きプラス。後半光明を見出した。例年同様第2四半期黒字転換によるもので、第3四半期IPDP(事務通知関連)需要期入り。通期でも持ち直す公算が大きい。コロナ第3、4波報道に拘らず増収を確保。採算も改善している。BPO(ビジネスププロセス・アウトソーシング)の取り込みが手掛かり。品質保証と情報セキュリティ体制を強化。拡販に取り組む一方、生産前の生産性向上がミソ。人材育成が浸透してきた。1997年の上場から四半世紀を数え若手の成長が原動力。99年セキュリティ室を立ち上げ、DP(データプリントサービス)設備導入と軌を一にするもの。常に「お客様のお客様」を念頭に人手不足で悩む国や自治体、大企業などITを活用しプラットホームを広げてきた。経産省の工業統計調査で印刷産業の出荷額を見ると、1991年8兆9200億円をピークに30年で約半減。2020年5月の生産額244億6200万円(前年同月比15.5%減)。08年リーマン危機翌年の落ち込みを越えたという。同社の場合、前期第3四半期累計6.2%増収(1.0%営業増益)が通期0.6%減収(46.6%営業減益)に跳ね返った。毎期売上高の約1割大型デジタル印刷機やオフセット、自動封緘機など設備更新。7~8億円減価償却をこなし12、13円配当。前期末の自己資本比率67.8%に締まった。終始一貫印刷専業によるもの。BPO 市場自体、労働人口減少に伴うリソース(経営資源)不足解消や競争力向上に不可欠といわれ、2018年以降平均3.5%の高い伸び。前回述べたように、23年9147億円の見通し。非IT系の倍以上だ。21年9月デジタル庁設置や24年新1万円札発行を加味するとビジネスチャンス。コロナ後追い風になりそうだ。AIに5G、DXなど第4次産業革命に突入し、水素や全固体電池によるエネルギー革命も視野に入った。社内業務を外部委託するBPOにネットで印刷を低価格で仲介するビジネスも逐一本格化。18年5月上場したラクスル(4384)の収益が軌道に乗れば次世代入り。業界活性化も考えられる。従来、紙加工・データハンドリング・表現技術をコアにDMIP(販促関連)受託が同社の主力事業。コロナ後、印刷のほかDMの企画も一皮むけそうだ。
 2021年8月期(非連結)は、売上高77億8000万円(0.6%増)、営業利益1億4400万円(31.0%減)、経常利益1億5600万円(28.5%減)、純利益1億0100万円(27.6%減)と従来通り。配当12円(期末6円)の予定。設備投資8億9100万円(前期8億0800万円)の計画。これまでの価値観をすべて見直し心機一転。次世代の仕込みが続く。下畠社長(65)が会社と同運で嵌っている。会長が今年後半から上昇運で先行。数年後次の山が見える。20年来、IPDPとDMDPともにブレークする場面。本格的な仕込みがうかがえる。※6月24日に発表された決算にご注目下さい。

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