10年ぶりピンチ ヨシタケ 12月15日 (2020.12.14)
中長期チャンスに変わる
東日本大震災やタイ洪水で免疫力
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ヨシタケ(6488・JQ)は連結出直り。コロナ禍、計画を上回る折り返し。足もと底堅い。11月2日上方修正によるもので、見込みより増収となり原価・販管費の縮小効果が主因。
設備投資が後退し建築や住宅も中止・延期が伝えられる中で確り。国内のほか北米やアセアンの受注も落ち込み非対面型営業を推進中。生産合理化、コストダウン、内製化など改良・改善の積み重ねだ。2011年に東日本大震災とタイ洪水に見舞われ免疫力アップ。羅患率ゼロで健闘している。由来、バルブが人間の心臓(弁)と同様必要不可欠で鉱工業生産に連動していることも事実。製造工業生産予測指数によると、11月+2.7%に対し12月-2.4%の見込み。12月の推計値が95.3%(2020年1月99.8%)にとどまり、コロナ第2・3波次第で回復が遅れる見込み。しかし、業界が戦後75年淘汰された現状でコロナ後リバウンド必至。量産品でなく空調や冷暖房、衛生など蒸気配管用の受注品が主力だけにボジティブ。国内外、販路開拓と生産合理化によるもので、タイの連結子会社生産移管推定4分の3。前回、洪水を奇貨に約25億円投入しチョンブリ新拠点稼働(2013年)から10年が目安と述べた。国内に鋳物メーカーが少なくなり、調達とコスト競争力強化が狙い。コロナ後、拍車がかかる見通し。引き続き建築設備物件の受注率向上、提案型営業の推進と新規顧客の獲得、内製化率向上と原価・固定費の改善など5つの課題に取り組んでいる。今期、基幹システムや合理化など設備投資2億円(前期3億3800万円)の計画。バルブの発展こそ安全性を支えているわけで中長期面白い。アナログなイメージがデータ管理やオンライン取り込みで一変する。それに、4~9月期連結セグメントによると、日本の売上高27億5500万円に対し東南アジア2億5200万円。内部取引7億0400万円を勘案しても海外の伸びしろが大きい。
2021年3月期(連結)は、売上高59億5000万円(14.8%減)、営業利益3億7000万円(39.2%減)、経常利益6億1000万円(32.8%減)、純利益4億7000万円(34.9%減)の見通し。期末配当22円の予定。修正予想を踏まえ持ち直した。米大統領選やコロナの顚末如何で予断を許さない。にも拘らず地についたもの。バブル崩壊後、リーマン危機や東日本大震災、タイ洪水などピンチがチャンス。連結経営で乗り切った。流体制御をテーマに減圧・安全弁で国内トップ。戦前の創業(1944年)でライバルとも棲み分けができている。大器晩成型で2021年整理整頓。コロナ後次の山が見える。22~23年の仕込みにかかっている。山田社長(51)も同運で10年ぶりピンチ。中長期チャンスに変わる。
※2月24日発表された分割と定款の一部変更のお知らせをご覧ください。