証券ビュー

企業レポート

自律反発途上 ニチハ 7月7日 (2011.07.06)

復興に駆け込み需要も

米国子会社の黒字転換が急務

ニチハ(7943)はもみ合い。自律反発途上。直近2期持ち直した。しかし、3・11自ら被災し、国内主要7工場の通常操業に時間。米国と中国の景気減速を加味すると、半年ないし1年かかる見込み。中国子会社が前期黒字転換し、米国子会社も同10億円の営業赤字が今期8億円改善する見通しだが、震災に伴う復旧・復興がビジネスチャンスにつながることも事実。これから半年、1年の仕込みが反転のエネルギーになりそうだ。6月27日就任した熊本出身の山中社長(59)。「震災対応を踏まえニチハのグローバル化が使命」と核心をついた抱負。2016年(60周年)が次の節目になる。窯業系外壁材国内シェア46.3%(10年前26.4%)。三井木材工業と大建工業の外壁材事業を受け継ぎ最大手になった。性能、品質は海外でも評価されているが、07年10月稼働し翌年リーマンショックにつかまった米国子会社の黒字転換が急務。何が何でも実現するところだ。国内は25兆円規模の復興需要、2010年代半ばといわれる消費税引き上げがポイント。今後3・11に伴う落ち込みのはね返り、駆け込み需要が予想される。社運を見ると遅咲き。前年から上昇運で今年、来年堅調。動きの中に運があるという。
11年3月期(連結)は、8%増収、営業利益2.3倍、経常利益2.6倍、純益2.3倍。昨年11月10日、2月4日、さらに4月28日修正。純益を除き当初予想を上回った。12年3月期(連結)は、売上高935億円(2%減)、営業利益41億円(21%減)、経常利益38億円(22%減)、純益24億円(4.5倍)の見通し。配当は2円復元し期末4円の予定。1Q思ったより堅調のようだ。住宅着工75万戸(前年度81万9000戸)、数量4%減・単価0.1%安などによるもの。1Q(昨年8月4日)、2Q発表(同11月10日)が注目される。3月23日880円を戻り高値に740円どころが中心値。半年、1年後が楽しみだ。

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