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企業レポート

後半切り返す システムリサーチ 12月1日 (2020.11.30)

若手が成長し稼ぎ頭に 
コロナ境にビジネスチャンス到来
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 システムリサーチ(3771)は一服。連結24.1%営業減益で折り返した。コロナ禍によるもので、後半切り返す見込み。5Gが促すデジタル革命を控えているためで新中期計画も修正なし。トヨタグループ向けが約4割占め、11月27日トヨタ(7203)の世界販売8.3%増。10月84万台を数え単月最高との報道に明らか。当面米大統領選の混乱もあり予断を許さないが、中長期AI やIoTの普及と連動し情報通信の構造変化待ったなし。総務省が8月に公表した「情報通信白書2020」で拍車がかかった。超スマート社会の取り組みやSDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・統治)などIT(情報技術)支援が不可欠。2019年現在、国内でDX(デジタルトランスインフォメーション=デジタル変換)完了済みの企業8%といわれ、同社にとってビジネスチャンス。昨年6月トップが若返り、SIサービス(企業の情報システム構築を請け負うITソリューション)に続く2つ目のコア事業創出も新たなテーマになった。2005年の上場から15年余。21年に創業40周年を数え、平均年齢33.2歳(20年上期)。次第にオーナー色が抜け上場後入社した若者が多数稼ぎ頭になった。10年や20年で収まらない。人間がいなくても「稼ぐアプリをつくる(平山社長=61)という。コロナ禍、罹患なし。「巣ごもり」を前向きに受け入れコロナ後の仕込み。社運によると、現実世界に強くどんな環境であれ常に冷静で上手く対応できるという。2011年、東日本大震災後に新本社稼働が語り草。08年リーマン危機をモノともせず約5億円投入し10年着工したもので、その後10年収益拡大の原動力になった。コロナも似たようなケース。3大都市圏に売り物件が目立ち、緩和マネーがたむろしている。同社は事実上無借金。上期1097人の連結従業員を1396人(2023年3月期)に引き上げる計画。同時に連結売上高208億9500万円、営業利益14億円(同)が新中期計画の目安。コロナを境に一皮、二皮むけそうだ。「特定サービス産業実態調査」によると、情報サービス業の2017年売上高合計2.5%増。18年1.5%増、19年4.0%増。20年1~3月4.2%増、4~6月2.5%増、7~9月3.7%減。9月に限ると受注ソフトウェア8.9%減、ソフトウェアプロダクツ3.9%増、システム等管理運営受託2.1%減とまちまち。10~12月持ち直すとみられる。過去5年働き方改革でグッドジョブチャレンジ、女性活躍・両立支援など生産性改善。2014年吸収合併したイリイが昨年10月特需をもたらしたほか、特例子会社ソエルも自立にあと一歩。数年後、苦労が実るという。
 2021年3月期(連結)は売上高172億6700万円(6.2%増)、営業利益17億3800万円(0.8%増)、経常利益同(横ばい)、純利益11億6500万円(5.8%減)と従来通り。期末配当50円を据え置く予定。2021年、会社の運気が好調な一方、社長がすべて整理整頓を迫られる。会長は心機一転上り坂。新たな境地をひらくという。継続的な利益確保、企業価値向上、雇用安定が基本的なポリシー。どんな事態にも適応できる体質が魅力だ。コロナを境にビジネスチャンス到来。若手の成長にかかっている。※改めて5月11日に発表された決算にご注目下さい。

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