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企業レポート

2Qも底堅い 日東工業 9月8日 (2020.09.07)

コロナを奇貨に化ける
次世代モデル構築に余念がない
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 日東工業(6651)は確り。1Q連結10.3%営業増益。2Q も底堅い。コロナ禍を吸収し2020中期経営計画(4年)フェーズ3。実行計画を成果につなげるためだ。前期連結最高益を受けたもので、学校空調関連や13年ぶり主力製品値上げ、北川工業買収要因など剥落。5Gにテレワーク、GIGAスクール構想(学校に1人1台端末を目指す政策)関連など新規案件の提案に傾注。コロナ感染拡大に伴う売り上げの落ち込みを大半埋めた。販管費のほか営業外収支も改善し7~8月むしろ締まった印象。9月を乗り切ると上方修正も考えられる。一般に今年前半コロナ一色で世界中「巣ごもり」。第2、3波懸念もありV字型回復に程遠いが、同社の場合フェーズ3最終年度。2016同計画が太陽光市場縮小で未達に終わり追い込み。前期1年早く実現したものの今期末まで気が抜けない。コア事業競争力強化をはじめグローバル化(東南アジアで配電盤事業確立)、新規ビジネス、生産体制・経営基盤強化が支柱。10年後、盤プロフェッショナルとコンポーネンツプロフェッショナルを結び新たな分野へコネクト。海外や新規事業を通じて今までにない価値をいち早く生み出すミッション(使命)を掲げた。将来、情報通信関連流通事業も強化し2000億円がこだましている。1月に発表された瀬戸新工場用地や栃木野木工場隣接地取得も次世代プロジェクトの一環。コロナ禍でピンチをチャンスに変える場面。次世代のビジネスモデル構築に余念がない。リーマンショック後初の営業赤字を除きピンチらしいピンチなし。大道無門(正々堂々本道を歩む)が創業者の語録に見られる。1967年東名名古屋インター東隣に工場を新設。1970年長久手に本社を移転し、緑豊かな「公園工場」がメインシンボルになった。半世紀後、創業の地に本社工場を集約するものでコロナに負けていられない。1974年菊川工場を立ち上げ全国展開。2013年サンテレホン、南海電設を口火にシンガポールの配電盤メーカーを子会社に連結経営本格化。パナソニックとの一部協業開始も軌道に乗り始めた。社運が大器晩成でエネルギッシュ。2020年、今までの価値を見直せとある。4月COO(最高執行責任者)になった黒野社長(61)が天性の働き者。向かうところ敵なし。数年後夢が叶うという。もう一皮むける。後半締まればしめたものだ。
 2021年3月期(連結)は、売上高1290億円(7.5%減)、営業利益77億円(37.9%減)、経常利益75億円(37.7%減)、純利益47億円(41.6%減)の見通し。配当40円(中間20円)の計画。設備投資57億6700万円(前期71億5300万円)の計画。案件が動きPLも回っており上方修正を期待できる。上場から40年数えベストメンバー。オーナーの情熱が引き継がれ事業とマッチングしている。企業100年にかけてビジネスチャンス。コロナを奇貨に化ける公算が大きい。
※ 11月09日に発表された決算をご覧ください。

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