証券ビュー

企業レポート

一難去って又一難 カネ美食品 8月18日 (2020.08.17)

前期の復調が伏線に 
来年から筆頭株主揃って上昇運
企業HPご案内   前回の企業レポート  
 カネ美食品(2669)は動乱期。一難去って又一難。コロナ禍に見舞われた。創業50周年(2019年11月)を巡るもので、店舗・工場運営や商品政策、コスト構造など事業活動すべて見直し。積み重ねたノウハウ・経験を活かし、様々な環境変化に対応した前期の復調が伏線。売り上げが伸び悩む中で同年11月のセール期間10%増収。細やかな店舗運営・コスト適正化に傾注し増益をもたらした。前期を総括したスローガンが発見と解決。今期、協同・動く・導くに引き上げた。コロナ対応を喚起するもので、テナント・外販事業、本社を含む全事業所と従業員の予防対策徹底。「食」を重要な生活インフラとして消費者ニーズに合わせた商品の提供が骨子。「巣ごもり消費」を受けてテナント事業が善戦している。月次売上高によると、3月度前年同比全社計84.9%。テナント事業89.5%に対し外販事業80.9%。3~7月全社累計84.8%とほぼ横ばい。テナント事業92.5%に対し外販事業が77.8%に落ち込んだ。国や自治体の緊急事態宣言発令に伴い不要不急の外出自粛や外食控えが主因。総務省統計データによると、過去10年消費支出が横ばいにひきかえ、調理食品26.2%の高い伸び。百貨店や総合・食品スーパー、CVS、専門店ほか市場参入が相次ぎ供給過多といわれる。コロナ感染にこだわると、南半球ブラジルで急増した8月(日本の2月)以降が問題。第2、3波を乗り切るのが先決だ。5月21日、役員報酬減額と特別感謝一時金支給発表。8月16日、東京都北区の店舗営業再開(8日従業員1人コロナ感染が判明し一時休業)に漕ぎつけた。引き続き体温・体調管理、マスク着用、手洗い・消毒のほか不要不急の会議・会合の自粛。国内外出張制限など感染抑止・予防に努めるという。現場が一段と締まってきた。一方、伊藤忠(8001)が筆頭株主ファミマ(8028)にTOBをかけ100%子会社にする見込み。サークルKサンクスに加盟する数千店が今後3年でFC契約更新を迎えるためという。コンビニ頭打ちにコロナ拡大が輪をかけたもので同社の影響も大きい。8月12日、前6月期連結決算を発表した「ドンキホーテ」の親会社パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)も筆頭株主。純利益503億円(6.9%増)計上しピーク更新。総合スーパーのユニーまで食品をはじめ住・衣料関連堅調とあって玉虫色だ。双方客筋が違うだけに文化の折り合い不可欠。ユニーの時代が終わり次の幕が上がった。ビジネスチャンスに違いない。
 3~5月期(非連結)は、売上高177億2100万円(19.2%減)、営業損失3億9600万円、経常損失3億7800万円、純損失5億5700万円。テナント事業の営業利益3200万円に対し、外販事業の営業損失4億2800万円が響いた。コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、百貨店、駅ビル、駅ナカ店舗の営業自粛と臨時休業等を勘案し通期予想未定。前期の復調を足場に試行錯誤が尾を引きそうだ。同社の場合、大器晩成型でエネルギッシュ。自分を変えて吉。今までの価値観を見直す年という。来年から筆頭株主揃って上昇運。次のベクトルが興味深い。

>>購読ご案内