証券ビュー

企業レポート

昨年8月から様変わり マルサンアイ 6月30日 (2020.06.29)

連結収益一段と拡大 
みそと豆乳同根で第3の玉を模索
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 マルサンアイ(2551)は尻上がり。連結収益一段と拡大。昨年8月から様変わりだ。2期工事を完了しフル稼働に入った連結子会社マルサン鳥取最新鋭豆乳工場の貢献が主因。工期繰り上げに生産性向上、償却負担(2Q連結累計6億8200万円)も峠とみられ回転が利いている。豆乳の需要増によるもので、コロナ禍「巣ごもり」消費が増加する一方、動物性蛋白から植物性シフトの動きも事実で市場拡大途上。コロナ第2、3波が伝えられ一過性に終わると考えにくい。日本豆乳協会によると、2020年1~3月の豆乳生産量9万4000kl(6.8%増)。無調整2万8200kl(27.3%増)、調製4万6800kl(3.5%増)、果汁入り・フレーバー系など軒並み続伸。昨年40万8900kl(12.7%増)でピーク更新。大容量タイプが目立ち、飲み方や食べ方、料理など提案が受けたという。鍋に料理のほかコーヒー・紅茶にも馴染み市場規模687億円(2019年推定)のあらまし。1~3月、コロナにより一部外食向け業務用の低迷を除き出来過ぎだが、消費者の体調管理意識が高まり健康、機能性のほか長期保存が可能な点も見直された。同社は3月早々「豆乳飲料かき氷れん乳風味」、「同かき氷れん乳いちご風味」。「ソイプレミアムひとつ上の豆乳豆乳飲料シャインマスカットMIX」、「VEGAN PROTEIN MATCHA SOY LATTE」を全国発売。「豆乳グルト」発売10周年を記念しキャンペーンを始めた。戦後久しい牛乳ブームが一巡し昨年トマトジュース頭打ち。豆乳ヨーグルト市場が2014年から5年連続伸びており、健康・美容にSDGs(持続可能な開発目標)など環境意識の高まりに呼応するもの。大豆蛋白質・同イソフラボン入りでコレステロールゼロの植物性ヨーグルト。豆乳を乳酸菌発酵したもので、大豆をすりつぶして水を加え過熱し豆腐になる直前の状態がミソ。脱臭・無菌化・乳酸発酵技術により各種豆乳製品をつくりシェア全国2位(推定18.8%)。全国指折りの有機JAS認定工場取得。原料大豆を海外有機栽培農家と契約により「有機豆乳無調整」を生産販売している。
 2020年9月期(連結)は、売上高283億5800万円(3.6%増)、営業利益6億6500万円(71.3%増)、経常利益6億2700万円(62.0%増)、純利益6億1300万円(31.0%減)と従来通り。期末配当30円の予定。設備投資11億0400万円(償却13億8400万円)の計画。みそ事業49億8600万円(0.6%増収)、豆乳事業189億2200万円(4.9%増収)をベースに慎重な見通し。しかし、豆乳飲料の売り上げが予想を上回り、稼働率アップに伴う原価・販管費の改善も見込まれ、上方修正の公算が大きい。みそと豆乳が同根で「第3の玉」を模索している。グループ売上高300億円(2023年9月期)。100年目も大豆でありたい旨浸透。社運が大器晩成型でエネルギッシュ。今年、渡辺社長(63)は向かうところ敵なし。数年後、夢が叶うと出ている。※ 10月30日発表予定の決算にご注目ください。

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