独立独歩の社運 カネソウ 4月28日 (2020.04.27)
コロナ後再びチャンス
世界恐慌にリーマン危機も乗り切る
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カネソウ(5979)は正念場。新年度早々調整場面。2年続きそうだ。コロナ禍によるもので、4月7日国内初の緊急事態宣言と同13日清水建設(1803)の従業員3人感染(うち1人死亡)。このほか、西松建設(1820)や東急建設(1720)、JR東海(9022)など相次ぐ工事中断が主因。清水1社で雇用数万人といわれ、1ヵ月工事ストップ。一律給付金が出ても、再開なしに下請け・孫請け・日雇い・資材など傘下何百、何千の業者が行き詰まるためだ。五輪1年延期、来年も困難とみられ、直近まで都市部中心に底堅い再開発案件も頭打ち。新年度、これといった手掛かりがない。前期後半尻上がり。懸案だった価格改定(推定5~10%)が浸透し、持ち越した反転を実現した矢先つかまった。例年1Q年度末の反動で出遅れ2Q本格化。前期やり切っただけに前向きだ。主力のエキスパンションジョイントが伸び盛り。マンションやビルなど大型建造物が対象で、地震や温度変化、不同沈下による影響など変形を防ぐため建物の周りに隙間がつくられ、その隙間で連続性を保ちショックを吸収するのが役割。近年免震構造が定着し病院、庁舎、物流倉庫などに納入。ガイドラインに基づき高品質、安全性の高いオリジナル製品が受けている。目立たない側溝や排水溝用みぞ蓋も、景観に合ったスリットタイプやユニバーサルデザインにもとづくタイプのものが人気。3Q累計3.1%増収、49.3%営業増益と尻上がり。自己資本比率86.9%、流動比率1672.1%。独立独歩の社運で「パニック」に動じない。これから2年乱気流をこなすと数年後苦労が実るという。前回、1922年の創業から数年後世界恐慌に匹敵する場面と述べた。2008年のリーマン危機もびくともせずに乗り切り、再びコロナ後ビジネスチャンスと考えられる。
2020年3月期(非連結)は計画線。売上高75億円(2.5%増)、営業利益3億5300万円(3.2%増)、経常利益3億1500万円(2.4%増)、純利益2億2000万円(10.2%増)と従来通り。配当150円(期末75円)を据え置く。設備投資4億5000万円(前期2億3500万円)の模様。次期未定だ。5月8日発表の予定。自動溶接設備、鋳造・加工設備の更新を進めて来たことから期待がかかる。近藤社長(64)が2020年から長大運でステップアップ。むしろ、22年(創業100周年)にかけて仕込み場。コロナ後を待たず、時価総額58億円(3Q累計純資産135億円)、配当利回り3.71%も見直される公算が大きい。※ 改めて 5月8日に発表された決算をご参照ください。