売上高区間新 福島印刷 4月16日 (2020.04.15)
中長期BPO市場拡大
コロナを奇貨にビジネスチャンス
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福島印刷(7870)は底堅い。売上高区間新の折り返し。これまで直接コロナの影響ないという。前期の増収増益を受けたもので、2Q累計6.7%増収が手掛かり。主力のIPDPサービス(事務通知)10億2000万円(34.1%増)、DMDPサービス(販促)20億8600万円(0.9%増)ともに健闘。BF複合サービス(4.1%減)、企画商印サービス(11.7%減)の落ち込みを吸収した。償却負担3億5100万円(5.1%増)を加味すると営業利益率9.9%。バブル崩壊とリーマン・ショックを乗り切った証(あかし)。コロナ禍でもう一皮むけそうだ。BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の市場拡大によるもので、4月8日、国や自治体の緊急事態宣言を受け入れ工場稼働基本方針を表明。引き続き感染被害抑止と製品・サービス供給責任を果たすため、社会インフラに準じるメーリングサービスの継続維持に全力を挙げる構え。社内で感染者が発生した場合のBCP(事業継続計画)強化、これを支える対策が骨子。コロナ後も視野に入っている。IDC Japan(IT専門調査会社)によると、2018年の国内BPO市場7601億円(4.7%増)。2018~23年の平均成長率3.5%。23年の市場規模9147億円の見通し。同社は市場の伸びを上回り、数年後売上高100億円が射程圏に入った。人手不足に悩む国や自治体、大手企業などITを活用して可能な限りプラットホームを広げようとしている。同社は「お客様のお客様を考える」のが特徴。オーダーを鵜呑みにせず最善のアプローチを提案。データ処理から印字、封入封緘、発送代行。官公庁や金融業界向けビジネス通知ものが得意。信頼を積み上げてきた。「ジョブNAVI石川」でもお馴染みだ。後半流動的だが、中長期市場拡大が見込まれるだけに強気。延期になった東京五輪、2024年新1万円札発行にかけてビジネスチャンス。さらに大きなシステム投資が待っている、紙加工とデータハンドリング、表現技術三つがコアスキル。5G(第5世代移動通信システム)と相俟ってコロナ後待ったなしだ。大器晩成でエネルギッシュな社運。下畠社長(65)も同運で2020年今までの価値観を見直す場面。福島会長(66)が来年から長大運で楽しみだ。
2020年8月期(非連結)は売上高78億5000万円(0.9%増)、営業利益2億2300万円(42.9%減)、経常利益2億3600万円(41.0%減)、純利益1億6400万円(38.5%減)の見通し。3月以降コロナの影響が拡大し手探り。にも拘らず、計画実現に意欲的だ。配当12円(期末6円)に戻す予定。設備投資7~8億円(前期8億800万円)という。商品開発力とセキュリティ対策に定評。システム投資が一段落すると収益拡大に弾み。2028年(創業100周年)に分水嶺が見える。コロナが奇貨になりそうだ。※ 改めて 6月23日に発表された決算をご参照ください。