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企業レポート

中長期様変わり 矢作建設 3月24日 (2020.03.23)

3Q締まり出番待ち 
地元名古屋でビジネスチャンス
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 矢作建設工業(1870)は出番待ち。3Q連結10.3%営業増益。底堅い。建築と不動産セグメントの貢献によるもので、新中期計画(3年)の一環。連結売上高1000億円、営業利益70億円、ROE8%(2020年度)が目安。一段と締まっている。4Qから新型コロナの影響が本格化。株・原油先物安にも顕著で世界中需要後退。混乱に包まれた。呼応して不要不急の外出を控え、マスクや消毒、TV会議など励行。これといった支障なし。3Q連結受注高704億1700万円(24.1%増)、同売上高647億5700万円(4.2%減)、同繰越高940億8100万円(32.8%増)に問題ない。あるとすれば、今後東京五輪をはじめ一連のイベント見直しや事態長期化懸念。逆に、WHOの非常事態宣言解除、ワクチン投入にめどがつくとリバウンドも大きい。350億円をピークに3Q連結159億円(前期末181億円)まで絞った販売用不動産が新たな手掛かり。首都圏の大型案件が頭打ちでも、地元名古屋の再開発に見どころがあるためだ。直近20年名駅前の主要プロジェクトが一巡し、中心部の栄で久屋大通公園や名古屋テレビ塔の再開発が始まった。名駅周辺で高層ビル中心に縦の開発が進み、中心部で横に広がる展開。旧丸栄と栄町ビル・ニューサカエビル一体開発に2024年度中日ビル超高層ビル計画が突破口。栄復活機運が高まっている。27年リニア開業(計画)に伴い品川~名古屋間が40分で結ばれるや様変わり。早々、栄の地価上昇が話題になった。前回述べたように、建設エンジニアリング(問題解決)、事業ポートフォリオ(組み合わせ)、働き方改革を具体的なテーマに資本政策の強化を目指す。名鉄(9048=筆頭株主)グループの新中期計画と連動。同グループ長期ビジョン2030を視野にビルドアップ。1941年開業以来、名鉄名古屋駅再開発が記録的な大事業になりそうだ。総工費2000億円といわれ、名鉄のほか日生、近鉄(9041)、三井不動産(8801)など主要施主。2022年に着工し5年で完工する運び。中長期、コロナ蔓延や五輪見直しなど吸収しビジネスチャンス。恵まれたポジションにある。同社70年余の歴史で維新や戦前・戦後の混乱に匹敵するピンチが見られず特筆もの。社運によると、大器晩成型でエネルギッシュ。2020年、今までの価値観を見直せという。2015年就任した高柳社長(58)がまとめ役。今年、運勢が活気づくと出ている。
 2020年3月期(連結)は、売上高900億円(3.0%減)、営業利益65億円(15.6%減)、経常利益同(16.1%減)、純利益45億円(0.5%増)と従来通り。4円増配し32円配当(期末16円)の予定。上方修正を期待できる。安城や知立市など西三河で開発している大型分譲マンションや、名古屋大須の「マルチナボックス」(旧中公設市場跡)も若者に人気。出番待ちに違いない。※ 改めて 5月11日に発表された決算をご参照ください。

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