12年にかけて持ち直す
独自の提案が受ける時代に
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カネソウ(5979)はボトム圏。再び反転のきっかけをつかんだ。前期5年ぶり増収。依然黒字を確保し15円配当を維持しているためで、遅かれ早かれ震災に伴う復興需要も新たな手がかり。12年(創業90年)にかけて持ち直す公算が大きい。1Qは例年前期末の反動もあり低調だが、水準をさておき今期大幅な増益を見込んでいることも事実。2Q以降徐々に数量増、値戻しを期待できそうで、3~4Q意外な展開も考えられる。売上高が97年3月期をピークに半分以下というどん底の場面。リーマンショックを吸収した直後に東日本大震災。確かに1Q落ち込んでいるが、防災EXジョイントや建機・産機部品など堅調。今期はスチール機材を除き主力の鋳鉄器材、製作金物、その他も3~5%増収の計画。むしろ後半工事見直し、投資見送りの反動も考えられる。昨年11月5日、5月9日修正予想を出しているが、いずれも見込みより増収。原価高に対し厳しい単価が響いたという。日本鋳造協会が4月21日発表したアクションプラン2011。1の技術・技能で商品力を高め攻めの経営、4の海外、6の環境とエネルギー対策などもっともだが、身近なところで薪ストーブや高性能鍋、魔法のフライパンなど独自の提案が受ける時代。来年の90周年がポイントになりそうだ。
11年3月期(非連結)は、0.6%増収、24%営業減益、29%経常減益、39%減益。売上高を除き計画を下回った。製作金物(1.6%増収)、その他(34%増収)にヒントがある。12年3月期(非連結)は、売上高70億円(3%増)、営業利益4億4000万円(83%増)、経常利益4億円(94%増)、純益2億4000万円(2.3倍)の見通し。配当は15円(中間7.5円)を据え置く予定。設備投資1億8200万円(前期1億5200万円)の計画。1年前より明るい印象を受けた。社運を調べると、今年は日であれ月であれ前半吉。現実的で行動力に富み逆境に強いという。同社の鋳物は、ルーツ500年の地場産業。東の川口に対し西の桑名といわれ、本田忠勝が藩主となり鉄砲の製造を始めたのが起源。以来灯篭や梵鐘、農具、鍋など辻内・広瀬家が御鋳物師になり現在まで受け継がれた。今、来期反転が見込まれる。