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企業レポート

上方修正含み トランシー    2月23日 (2012.02.22)

亀山の物流拠点満杯

医薬品や消費財が成長分野

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日本トランスシティ(9310)は予想以上。明らかに上方修正含み。水準訂正が見込まれる。1、2、3Q計画を上回り、通期予想を変更していないためだ。昨年6月15日に未定だった業績予想を発表したが、被災し寸断した鹿島の石化製品や全面ストップした自動車生産の再開急ピッチ。その後11月1日、同10日上方修正したものの追いつかず。3Q連結累計で売上高76%、営業利益88%の進捗率。円高、タイ洪水、欧米債務危機など地についた対応ぶり。日銀が金融緩和に踏み切った2月14日、ギリシャ追加支援が決まった同20日から総悲観が杞憂に変わってきた。同社の場合、液晶で大赤字を出したシャープ向け亀山の物流拠点が医薬品や日用雑貨などで満杯。昨年始めた大手スーパー向け生鮮食品が初年度黒字を計上するなど物流加工リード。倉庫が3Q連結累計250億円(8%増)にのぼり、陸上運送(3%減)と国際複合輸送(2%減)の落ち込みを吸収している。リーマンショックを受けて取り組んだ収支改善、業務効率化も寄与。今期は昨年5月中期計画に盛り込んだ連結営業利益50億円(2014年3月期)の第一歩。3度目の挑戦でモノになりそうだ。昨年6月から小川社長(63)を中心とする新体制がタイムリーに決まった。震災直後で非常事態だったが、初回に先取点が入った印象。次期追加点となれば展開に弾み。人材、情報、システム、拠点など次世代のインフラも不可欠。これまで石化製品や自動車に代わり、伸びの目立つ医薬品と消費財が成長分野とみられる。増やしながら減らしたという子会社42、関連会社10も一体となって再構築。連結売上高1000億円が視野に入った。今年4月現商号20年を数えるが、2015年(創業120年)から10年、戦前・戦後を通じて3度目の事業確立期。今年安定運でどんな手を打つか楽しみだ。同社は初代運で面倒見がよく、後継者次第で予想外に伸びる。社長も同運で今年と来年が次の10年を左右する。

2012年3月期(連結)は、売上高820億円(1%増)、営業利益39億円(同)、経常利益43億円(0.3%増)、純益25億円(3%増)と従来通り。修正発表待ち。配当は8.5円(期末4.5円)を据え置く予定。設備投資29億円(前期16億円)の計画。通期予想は三菱倉庫計画通り、住友倉庫上振れ、三井倉庫下振れだが、今期を境に業界4位から3位に上がることも考えられる。22日280円で引けたが、当面1株当たり純資産(前期連結565円)が目安になりそうだ。

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