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企業レポート

リバウンド初動 藤久   2月21日 (2012.02.20)

増収増益の折り返し

復興と円安株高も支援材料

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藤久(9966)はリバウンド途上。初動とみられる。2月9日の修正発表によるもので、純益を除き計画を下回ったものの、増収増益の折り返し。バランスを取り戻した。間もなく震災1年になるが、今期以降復興が見込まれるためで、円高、原発事故、台風12号など天災、人災ともに逆回転の反動。前期11、今期計画25の店舗純増が手掛かりだ。東北6県は売上高の6%前後。全体に与える影響も考えられる。計画は出店49(退店24)、うち東北10(後半8)。従来商圏10万人90坪タイプの標準店から同3万人60、35坪レベルの中小型店でピンポイントな印象。この不況下に手芸用品を月商20億円規模でさばくのは、東京大田区蒲田のユザワヤと同社のみ。大したものだ。量のほか質、精度、密度などハード、ソフトも顕在化した実需によるもの。中間期末419店舗。ソーイングスクール61。期末75を見込み顧客約3700人という。復興需要でミシン、アイロンが動き出し、ネット通販「シュゲール」も売上高の5%目前。新しい芽が吹き始めた。つまり、復旧、復興をきっかけに復活。今期第一歩というわけだ。折りもおり、4月に創業60年。次世代の節目を迎える。今年は低目の安定運だが来年後半上昇運。ソーイングスクールやネット通販を通じて作品発表の輪を広げたいという。03年6月期(最高純益16億円)から9年。当時ビーズだけで60億円売れたのが語り草。お客が10、20、30年後戻るとすればしめたもの。20年デフレを通じてよほどかこなれたものになる。

2012年6月期(連結)は、売上高229億2100万円(5%増)、営業利益11億6000万円(32%増)、経常利益12億7000万円(24%増)、純益2億3500万円(16%減)に見直した。配当は40円(中間20円)を据え置く予定。1月は計画を上回った模様で2月まずまずという。日銀が1%インフレを目安に金融緩和を表明した14日から円安。ニクソンショックから40年続いた円高、バブル崩壊20年以上になるデフレ一巡。潮目と考えられる。欧米債務危機をデフレの重しとみれば、復興需要と円安株高に振れる国内景気の回復が新たな支援材料。後半需要期だけに期待をもてる。21日1232円で引けたが、3Q発表(前期5月11日)あたり初動のインパクトがわかるはずだ。

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