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企業レポート

期末盛り上がる スズケン 2月27日 (2020.02.26)

第三の創業を目指す 
ソリューションビジネスに転換
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 スズケン(9987)は健闘。3Q連結23.6%営業増益。期末盛り上がっている。前中期成長戦略「One Suzuken 2016」が準備期間。改良・改善を超えた改革により無駄の排除、取引慣行是正、アジア貢献など打ち出した「同2019」フェーズ2大詰め。結果にこだわっているためだ。第一の創業(1932)、東証一部に上場した第二の創業(1997)に対し第三の創業を目指すもので、ソリューションビジネスに転換を表明。2月5日、創業家の別所代表取締役会長(76)取締役最高顧問(4月1日付)就任を発表。直近3期Number One(顧客信頼度最大化への挑戦)をはじめ4つの「One」をやり切る構えだ。持ち越すと前に進めない。メーカー物流から卸物流まで1社で担う独自の医療流通プラットフォームが基盤インフラ。今後スペシャリティ医薬品や再生医療等製品、ジェネリック医薬品など拡大が見込まれ、グローバル基準のPIC/S GDPに準拠した品質管理も求められる。国内の医薬品メーカー最大手武田薬品(4502)のCEOが外国人。バブル崩壊から30年、日本の医薬品卸全て外資系に押されっ放し。物流改革に明け暮れた。団塊の世代約800万人が後期高齢者になる2025年転機といわれ、人口動態のほか遺伝子治療に伴うAIや手術支援ロボットなど技術革新も5G(第5世代移動通信システム)を境に様変わり。医療現場の医師8割を代替する試算もある。この先創業100年(2032)前後に相当し、国民皆保険が始まった1961年以来最大のピンチ。既得権益が複雑すぎて大きな改革が難しいという業界でフェーズ3目前。居ても立ってもいられない。折りから、世界中幕末気分。やがて維新待ったなし。ホロスコープ(天体の配置図)から戦前・戦後の混乱に共通するもので、1929年NYダウ大暴落3年後に創業者独立。失業者が街に溢れ不況の真っ只中で繁盛が続いた。各地の薬局向け地方卸と病院や医院に直接納入する医家売り2本立て。若い時から「世のため人のために尽くす」仕事にはまり、戦前戦後側近ら獅子奮迅の活躍もあり順調に伸びたという。今となれば、戦後高度成長をリードした団塊とミレニアル世代をどうこなすかポイント。社運によると、天性の働き者で2020年向かうところ敵なし。数年後、夢が叶うと出ている。宮田社長(59)も同運で拍車がかかる見通し。天与のビジネスチャンスだ。
 2020年3月期(連結)は、売上高2兆1330億円(横ばい)、営業利益246億円(9.7%減)、経常利益329億円(9.0%減)、純利益216億円(28.5%減)と従来通り。配当64円(期末32円)の予定。設備投資208億円(前期108億円)の計画。昨年10月25日の中間期に続き通期でも上方修正が考えられる。消費増税による駆け込みの反動や昨年10月薬価改定の影響、価格交渉の行方など粘り強い取り組み。2017年からスペシャリティ医薬品の新たな流通をモデルに「キュービックシステム」が話題。得意先同士、導入後半年で廃棄ゼロという。自動認識システム大賞の優秀賞を受賞。会長がソリューション提案を後押し。失敗を恐れるなという。※ 8月7日に発表される決算をご参照ください。

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