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企業レポート

緒についた新体制 三谷産業 2月14日 (2020.02.13)

最高益更新増配に意欲 
創業当時の混乱に挑戦する構え
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 三谷産業(8285)は好調。3Q連結46.3%営業増益。一段と盛り上がっている。空調設備工事や情報システム、住宅設備機器関連の売り上げが年度末に集中するためだ。主力の化学品、樹脂・エレクトロニクス、エネルギー関連順調。首都圏と地元北陸、ベトナム3拠点を結ぶもので、6事業再構築により領域拡大。新体制3期目で緒についた。通期連結最高益更新が見込まれ増配に意欲 。数年後、大化けも考えられる。これまで延べ40億円先行投資したジェネリック向け原薬供給と同30億円にのぼるベトナム関連事業のリターンが主因。2017年6月トップ交代により一挙約30年若返り、孫の代で三度(みたび)1928年創業当時に挑戦する構え。営々蓄積した知識、技術、ネットワークなど総動員。顧客が最も喜ぶ付加価値の高いサービスに傾注。商社機能に設計や開発、メーカー、物流機能など補完するもので大口依存の改善も狙いだ。年末年始、国内外幕末気分。維新やむなしといわれ、戦前戦後の創業当時に匹敵する混乱も予想される。統制経済強化により石炭・コークス、セメント販売休業。塩酸や硫酸など化学品の取り扱いでしのいだ過渡期に相当し、1949年石炭統制解除に伴い戦後の復興需要に取り組むまで約10年。前社長が10年がかりでジェネリック向け原薬供給、ベトナム関連事業をリードし芽を吹いた印象。昨年3月、連結子会社FCV社を富士通(6702)に譲渡。樹脂・エレクトニクスの採算が改善した。パワーエッグも圧巻。グループのディサークルが2000年発売し前期末1323社採用。「気づき」をコンセプトにプッシュ型ポータル・ワークフロー機能を備え決裁スピードアップ。業務プロセス見える化、ペーパレス化によるコスト削減に貢献。地銀64行におけるグループウェアのシェアトップだ。スタートアップ企業にビジネスコンテストで門戸解放。地域や社会の問題解決に乗り出した。自然災害多発を受け老朽化したインフラを補強する高接着性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で知られる。ビジネスエンジニアリング(4828)と資本業務提携や日医工(4541)との戦略提携にもうかがえる。関連会社のニッコー(5343)が継続企業の前提に疑義を生じているが、2017年3月期から3期連続営業黒字でキャッシュフローも黒字確保。トータルボトムアップ。ベトナムの人口ボーナスが2035年でフィリピン2050年、マレーシア2045年、インド2040年だけにゆうに10年青天井。ベトナム政府は2020年のGDP成長目標を6.8%と踏んでいる。米中対立が続くとみられ、同社にとって追い風だ。
 2020年3月期(連結)は、売上高770億円(10.2%減)、営業利益26億円(11.3%増)、経常利益31億円(5.1%増)、純利益20億2000万円(0.7%増)と従来通り。配当9円(期末4.5円)の予定。設備投資前期(32億1200万円)並みの計画。4Q締まっており上方修正の公算が大きい。昨年2月上昇運入り。向かうところ敵なし。数年後、夢が叶うという。三谷社長(35)も運気好調でステップアップ。活気に包まれている。

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