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企業レポート

期待もてる新年度 日東工業 2月4日 (2020.02.03)

新工場用地取得が材料
次世代ビジネスモデルの軸足固まる
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 日東工業(6651)は好調。計画を上回る推移。期末追い込みに入った。連結収益拡大によるもので、昨年10月28日上方修正の延長上。新年度期待をもてる。2020中期経営計画(4年)フェーズ3。実行計画を成果につなげるためだ。年末年始、米中部分合意や中東情勢、新型肺炎の影響など波乱含み。実体経済に陰りが出始めたのも事実。しかし、2月10日3Q発表を通じて次のステップがうかがえる。1月9日伝えられた新工場用地取得が新たな材料。配電盤関連製造事業の生産体制整備拡充、老朽化が進む名古屋工場(愛知県長久手市の本社敷地内)移転が目的。敷地約7万5000坪、契約2月、予定価格15億5000万円(上限)という。1948年以来創業の地に本社工場を集約するもので、67年東名の名古屋インター東隣に工場新設。70年瀬戸から本社を移転し、74年菊川工場を立ち上げ全国展開。10、20年後大化けした経緯に匹敵する。次世代ビジネスモデルの仕込み本格化。目前に迫った五輪のほか、万博(2025)、リニア(2027)など視野にプラットホーム再構築。前回述べたコア事業競争力強化、グローバル化(東南アジアで配電盤事業確立)、新規ビジネス、生産体制・経営基盤強化に乗り出した。1月31日(金)封切り映画「AI崩壊」に同社とパンドウイットの共同開発ラックが採用され、データセンターやマシンルームなど情報通信のネットワーク機器を見直す動き。同23日、株式情報番組に佐々木社長(63)出演。同20日、「知られざるガリバー」(TV)アジア広域再放送でも同社の進境が流れた。2013年サンテレホン、南海電設を口火に15年シンガポールの配電盤メーカー・ギャザーゲイツグループを子会社に迎え5年。中国よりタイ、シンガポールでグローバル化にめどをつけ、18年北川工業買収によりプラットホームの軸足が固まった。ギャザー・ゲイツの黒字転換が迫り、タイ金属加工会社と連携も動き出している。東南アジアに日本の技術を移植し基盤整備を目指すもので、米中対立や中東情勢、新型肺炎など与しない。ど真ん中、直球で勝負している。懸案のパナソニック(6952)と一部協業開始。時間をかけてモノにする構えだ。2018年から13年ぶり主力商品の値上げ(5~8%)が浸透し一巡。大器晩成型でエネルギッシュだが、今年に限ってこれまでの価値観を見直す時という。
 2020年3月期(連結)は、売上高1350億円(15.4%増)、営業利益113億円(74.6%増)、経常利益109億円(70.2%増)、純利益71億円(75.4%増)に見直した。13円増配し53円配当(期末28円)の予定。設備投資51億8000万円(前期25億1800万円)、償却37億6000万円(同32億3000万円)の計画。社長が来年から上昇運だけに今年の仕込みが決め手。デジタルグリッドやノバルス、バンブルビーなどスタートアップ企業支援も注目される。

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