復調し尻上がり カネ美食品 1月28日 (2020.01.27)
創業半世紀の折り返し
ユニーの時代が終わり次の幕上がる
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カネ美食品(2669・JQ)は復調。創業半世紀の折り返し。尻上がりだ。店舗・工場の運営効率や商品政策、コスト構造など洗いざらい事業見直しによるもの。3Q累計13億500万円の営業利益を計上し、通期の計画12億6400万円を上回った。4Q追い込み新年度の助走。次の半世紀を踏まえ、様々な環境変化に備えるためだ。テナント事業が業態転換に伴う一時閉店や台風・豪雨など減収。外販事業も納品店舗減少に物流センター統廃合など減収が実状。にもかかわらず、ともに増益を確保。精度や粗利改善、労務費削減など現場の地道な努力が実を結び始めた。前回述べたように、ファミリーマート(8028)と「ドンキホーテ」のパン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)が筆頭株主になる資本異動。伊藤忠(8001)出身の中山会長(62)、生え抜きの園部社長(52)中心に新体制稼働。背景がダイナミックに一変した。ユニー創業100周年(2011年)、同社同50周年(19年)の節目であり踊り場。親会社のファミリーマートが議決権換算523万122株(53.1%)のうち、半分パン・パシインターHDに譲渡し持分法適用(26.55%)になった。パン・パシインターHDが米国、シンガポール、タイに続き香港にも進出する見込みで中長期ビジネスチャンス。今後約10年、ファミリーマート同様上昇トレンドにあり追い風とみられる。客層が交錯し異文化を受け入れる一方、創業半世紀のこだわりと折り合いをつけアップデート。中食(なかしょく)の新たなビジネスモデルを確立する構え。テナント事業が50年の感謝と今後の成長に繋がる挑戦。記念セールのほか販売力の強化、既存店のレベルアップを打ち出した。外販事業も納品増加、コスト適正化、全工場(14)JFS-B規格に基くHACCP認証取得による管理体制強化が新たな手掛かり。2017年度10兆円大台を突破した中食(惣菜)の市場シェア上昇。企業価値向上を目指す。あらゆるニーズにこたえるのが使命という。
2020年2月期(非連結)は、売上高862億7400万円、営業利益12億6400万円、経常利益13億円、純利益7億5000万円と従来通り。上方修正を期待できる。配当65円(50周年記念5円)の予定。設備投資8億7900万円(前期6億7600万円)の計画。これから10年、本格的な仕込みが予想され創業100年の伏線になりそうだ。大器晩成型でエネルギッシュな社運。2020年、今までの価値観を見直す場面。今まで縁のなかった人たちと交流を通じて考えられない未来が始まるという。何より、伊藤忠やファミリーマート、パン・パシインターHDが上昇運。明らかにビジネスチャンス。ユニーの時代が終わり、次の幕が上がる。