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企業レポート

収益拡大に弾み マルサンアイ 1月22日 (2020.01.21)

鳥取の子会社リード 
大豆の新たな薬理作用解明が手掛かり
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 マルサンアイ(2551)は連結順調。収益拡大に弾み。営業大幅増益の見込み。昨年8月、連結子会社マルサンアイ鳥取の最新鋭豆乳工場2期工事完了。償却負担が峠を越し、今期からフル寄与が見込まれるためだ。能力倍増(年5万kl)+αが焦点。今夏グループトータル15万kl体制。必要なら増強に着手し、中長期ハイエンドな装備で高い生産性をリードする見通し。何より、渡辺社長(63)とバッテリーを組む堺常務(61)。同子会社の兼子社長(61)に設計を担当した稲垣取締役(55)。さらに、営業統括の加藤取締役(55)が就任しベストメンバー。新工場の総投資77億円。未曽有の超低金利を背景に鳥取県、鳥取市の補助金を受け現地の振興・雇用に貢献している。豆乳需要旺盛で出荷好調な一方、製造・物流コストも予想以上。このため、生産性向上が喫緊の課題。逐一改善が見込まれる。日本豆乳協会によると、2018年の生産量36万kl(+6.9%)にのぼり最高。10年で2.2倍になった。19年も1~3月+12.5%、4~6月+11.2%、7~9月+12.0%と好調。おいしさのほか健康志向が高まり、料理に需要が広がっている。同協会では年50万klを視野。もう一皮むけるところだ。今期連結みそ事業49億8600万円(0.6%増)、豆乳189億2200万円(4.9%増)の計画。トヨタグループでいえば、織機をルーツに自動車で発展し転機を迎えたのに似ている。5G(第5世代移動通信システム)、6Gも取り沙汰される過渡期。第1次(1983年)、第2次(2006年)に次ぎ第3次豆乳ブームを見越したもので、大豆イソフラボンショックを乗り切り新たな薬理作用解明が手掛かり。現在9大学・1公共機関と共同研究しており、豆乳グルトの発酵技術を応用した乳酸発酵やみその認知症予防効果に関する基礎研究など興味深い。薬理作用解明ひとつで従来の常識が一変する。世界中、あたかも「幕末」を迎え維新がやってくる。
 2020年9月期(連結)は、売上高283億5800万円(3.6%増)、営業利益6億6500万円(71.3%増)、経常利益6億2700万円(62.0%増)、純利益6億1300万円(31.0%減)の見通し。配当は期末30円の予定。設備投資11億400万円(前期14億8200万円)、償却13億8400万円(同12億7600万円)の計画。昨年12月、「純正こうじみそ750g」自主回収に踏み切り原因解明。業績に影響ない。前期、減損5億5500万円計上しあく抜けした。社運が大器晩成型でエネルギッシュ。2020年、今まで価値観を見直す場面。現状に満足できず新たな挑戦が予想される。海外(前期構成比12.5%)と縁が拡大。忍耐力で追随を許さないのも特徴だ。前回述べたように、鳥取の子会社が上昇運。社長も同運で活気づく年。グループの流れをまとめ上げる星回り。後半が楽しみだ。同子会社、17年7月稼働し3ヵ月繰り上がっただけにプレミアムつき。工場見学会を通じて近隣や従業員、取引先関係者の理解もうかがえる。一皮、二皮むけるはずだ。

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