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企業レポート

後半も締まる MARUWA 12月11日 (2019.12.10)

次世代成長市場に特化 
時代の変化に追いつき追い越す
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 MARUWA(5344)は底堅い。連結計画を上回る折り返し。後半も締まっている。主力のセラミック部品(2Q連結売上高78.5%)、照明機器挙げて差別化製品の伸びが主因。半導体関連製品や照明機器の在庫見直しも後押し。尾を引く米中対立や輸出減少、設備投資抑制が続くものの、前半計画より13.0%増収に対し20.3%営業増益。にもかかわらず、通期予想を据え置いた。依然予断を許さないためで、AIやIoTなどの普及を控え関連製品の需要増が見込まれ、直近、戻り高値を更新している。電子部品・デバイス工業の生産動向によると、スマホやデータセンター、車載、AI、自動運転、IoTなど次世代の成長市場拡大が手掛かり。従来のシリコンサイクル(活況2年・不況2年)をしのぐもので、一時スーパーサイクルといわれ、18年2月1万0230円の上場来高値(95年9300円)をつけた。セラミック部品が次世代の成長市場に特化。材料技術と製造技術によりハイエンドな差別化製品に注力。照明機器も高輝度、配光性能、高演色光源採用が受けるなど差別化製品リード。他社の追随を許さない製品開発、いち早い市場投入が課題という。今期、グループ合わせて設備投資60億円(前期43億8100万円)の計画。2020年に次々完成する運び。主要連結子会社のYAMAGIWA(18年度売上高64億2400万円、純利益3億1900万円)、マレーシア(同55億8700万円、同3億6900万円)ともに堅調。本丸も動き出した。何しろ、8月以降米国で逆イールド、レポ金利急騰、コマーシャルペーパー発行中止が相次ぎ、リーマンショック直前の印象。半導体市況も手探りの状態で慎重に構えている。2017年10月日立パワーデバイスのセラミック端子事業、18年12月ブリヂストンから高純度炭化ケイ素ファインセラッミクス部材事業を引き継ぎスタートした。12年12月ヤマギワを引き取り、YAMAGIWA(13年3月)に改称し復活を遂げた。事業再生に定評がある。
 2020年3月期(連結)は、売上高380億円(前期比7.8%減)、営業利益78億円(18.4%減)、経常利益同(21.4%減)、純利益53億円(21.7%減)の見通し。さらに4円増配し52円配当(期末26円)の予定。世界の中銀が利下げに足並みを揃え財政出動。国内も26兆円規模の経済対策を受けて同社も上方修正を期待できる。設立50年と旧ヤマギワ100年の重なる2023年が次の節目。同社と神戸社長(70)にとって最大のビジネスチャンス。今期乗り切ると上昇運入り。同社の持つ材料技術や製造技術を総結集。リーマンショックで拍車がかかった高付加価値品シフトに弾み。時代の変化に追いつき追い越す構え。人口8万余、財政規模435億円の尾張旭市にとっても最大の関心事だ。

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