後半尻上がり ヨシタケ 12月3日 (2019.12.02)
3Q採算の改善表面化
タイに生産移管しスケールアップ
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ヨシタケ(6488・JQ)は尻上がり。踊り場にかかわらず連結確り。さらに2円増配の見込みだ。国内外、販路開拓と生産合理化によるもので、タイの連結子会社生産移管推定3分の2。償却負担が峠を越す一方、2019年7月受注分から平均8~12%値上げを打ち出し後半浸透。3Q採算の改善が表面化する。前半中国やアセアンで販売が伸び悩み、タイ生産移管に伴う一時的なコスト増から出遅れた。後半持ち直し増収増益の見通し。2020年にかけて世界的な景気底入れ、人手不足による省人・自動化投資が予想され、工場設備に於ける蒸気配管システム内の温度・圧力・流量など計測データをワイヤレスでモリタリングできなる「Wi-Flow」(流体監視システム)がリード。タイ生産移管が進み弾みがつきそうだ。工程改善や空きスペース活用など生産性向上を後押し。2011~12年洪水に見舞われたアユタヤの旧拠点減損処理(1億7800万円)を奇貨にビジネスチャンス到来。約25億円投入しチョンブリに新拠点を立ち上げ、現地で山田社長(50)が陣頭指揮。直近2期リーマンショック前の連結売上高65億9700万円(08年3月期)を突破しスケールアップした。数年後、連結売上高100億円が射程圏。国内シェアを確保する一方、海外50%を目指すもので持続的成長、ニッチな市場開拓、安定かつ高配当が主眼。チョンブリ稼働(2013年)から10年が新たな目安だ。依然、海外販路拡大、建築設備物件の受注率向上、提案型営業の推進など5つの課題に傾注。1から10まで自ら流体制御システムを提案できるレベルに脱皮。業界大手のキッツ(6498)と一線を画し、少量でも必要不可欠なメーカーに活路を見出した。数ヵ月のほか数十年が製品寿命といわれ、創業(1944年2月)から75年の実績がモノをいう。デジタルになってもアナログの世界が制御するもので、電気を使わないメカニカル式自動温度制御の温水製造装置を国産唯一独自開発。蒸気と水さえあれば瞬時に温水をつくり出す。2018年度、バルブの国内生産額4670億円(前年4775億円)。同社の連結売上高がピークを更新しており興味深い。
2020年3月期(連結)は、売上高72億5000万円(3.5%増)、営業利益6億5000万円(9.3%増)、経常利益9億4000万円(14.1%増)、純利益7億6000万円(5.3%増)と従来通り。期末配当36円の予定。設備投資3億円(前期4億1200万円)の計画。国内とタイの設備更新によるもの。日本バルブ工業会によると、米中が2018年度世界輸出入の約半分を占め、日本にとって面白いポジション。同社の目指す海外50%と共通するものがある。社運によると、2020年今までの価値を見直す時という。社長も同運で大器晩成型。数年後、タイ子会社生産移管完了が見込まれ次のステップ。国内外、ポスト五輪を巡り価値を見直す時がやってくる。連結売上高100億円も一里塚に過ぎない。