分売忽ちこなす システムリサーチ 11月28日 (2019.11.27)
トップ交代新風吹き込む
AIビジネス緒につき新たな光明
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システムリサーチ(3771)は好調。連結ピーク更新で折り返し後半確り。11月25日の分売(30万株@1730円)を忽ちこなした。10月25日の上方修正によるもので、顧客のIT投資が堅調な上、稼働率高水準、原価改善、消費増税特需など後押し。7月にトップ交代を発表し、システム開発のエース平山社長(60)が新風を吹き込んでいる。5期連続ピークを更新した前社長に対し、40周年(2021年3月)を踏まえ50周年・その後も視野。2017年8月立ち上げたAIソリューション事業がダークホース。2000人体制(中間期連結1019人)、事業部制移行を打ち出した。業種・業界別の展開、関東・関西地区に名古屋も拡大、AIソリューション部(ITコンサルタント事業の足掛かり)設立などロングラン。AIビジネス市場拡大によるもので、2019~21年成長期入り。21年1兆円(18年5000億円)、30年2兆円規模の試算もある。同社にとって日本IBMの「WATSON」をベースにしたデータサイエンス事業(中部地区№1)がこけら落とし。ソフトウェア開発、同プロダクト事業に次ぐものでコールセンター業務支援、チャットボット、画像・音声認識(ディープラーニング)など具体的な取り組みが始まった。不採算プロジェクト見直し、人材獲得と育成、AIソリューションビジネスの基盤確立など7項目がテーマ。働き方改革を通じてグッドジョブチャレンジ、女性の活躍推進を宣言。経済合理性に基づく社員のインセンティブ(欲求を刺激し引き出す誘因)向上に長けている。特定サービス産業動態統計によると、情報サービス業の2016年売上高合計1.3%増。17年2.5%増、18年1.5%増。19年1~3月4.0%増、4~6月3.7%増、7~9月6.8%増と動意含み。9月に限ると受注ソフトウェア7.3%増、ソフトウェアプロダクツ17.0%増、システム等管理運営受託3.5%増など高い伸び。製造業中心にDI(業況判断指数)が悪化する中、米中対立や消費増税の影響をしのぐ上でIT投資が人手不足解消に一役買っている。同社の生産実績(2Q連結)によると、SIサービス10.4%増、ソフトウェア開発16.5%増、ソフトウェアプロダクト55.6%増など軒並み2ケタ増。後半も強含みで期待をもてる。AIビジネスが緒につき新たな光明をもたらした。
2020年3月期(連結)は、売上高149億7900万円(5.8%増)、営業利益14億0800万円(9.0%増)、経常利益14億1200万円(8.5%増)、純利益9億4600万円(2.7%増)の見通し。19年10月1日1株を2株に分割しており、2月7日期末配当50円に修正した。ネガティブな材料が見当たらずリスクと向き合っている。トヨタグループ(前期連結約37%)の構成が黄金分割そのものだ。12年特例子会社ソエル(障害者自立支援)を設立し14年連結子会社イリイを吸収合併。板についた。2020年も運気好調。油断大敵と出ている。