若手の成長に心血 ダイセキ 11月12日 (2019.11.11)
向かうところ敵なし
巡航速度定着し連結ピーク更新
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ダイセキ(9793)は尻上がり。巡航速度定着。連結ピーク更新の見通し。主力の産廃処理事業受注拡大が手掛かり。資源価格や国内鉱工業生産が伸び悩む中でシェア上昇。連結子会社の環境ソリューション(1712)上方修正、MCR黒字定着、システム機工100%稼働など支援材料。グループ連携によるもので、後半もじり高基調だ。9月に兵庫県播磨町の新工場用地1万9200坪を取得。行政と住民の理解を得て2021年にも着工の運び。同県内3つの工場増強を踏まえ、関西の売上高倍増(前期約55億円)が視野に入った。東京五輪後、関東や東北でも新たな物件が具体化するとみられ、既存拠点増強、集約、M&Aなど事業拡大を後押し。1995年に業界初の上場を果たし四半世紀。本格的なビジネスチャンスを迎えた。国内製造業を動脈とすれば静脈に相当し、経産省の鉱工業生産に対し環境省所轄のリサイクル処理がコア事業。前回、費用対効果でリサイクルが有利と述べた。2015年9月、国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を受けたVISION2030。連結売上高1500億円、営業利益250億円、ROE15.0%が目安だ。コア事業のシェア3割(現在推定1割)をはじめ、プラスチックや非貴金属素材のリサイクルも新たなテーマ。国内だけで連結売上高1000億円(前期513億円)の試算も出ている。海外は東南アジアが対象。リサイクル市場のインフラが不十分で情報収集の段階。事業100年(2045年)のテーマになりそうだ。アジア№1のリサイクル企業を目指すもので10年スパンのステップ。今期からパンチのある仕込みが続くだけに10、20年後様変わり。巡航速度が何よりだ。AIやIoT、5Gにも動じない。デジタルをアナログに転換しないと成り立たないビジネス。上場から四半世紀を数え人材が育ってきた。女性の活躍も目覚ましく、全拠点に送り出している。例外なく優秀という。以前、上場後採用された従業員が上場前を上回り、人口ボーナス期と述べた所以。拠って立つ若手の成長に心血を注いでいる。社運によると、2020年向かうところ敵なし。柱社長(58)も同運で天性の働き者という。過去を振り返るより未来に挑戦する点が共通している。
2020年2月期(連結)は、売上高535億円(4.2%増)、営業利益101億円(10.9%増)、経常利益102億円(10.8%増)、純利益67億円(9.6%増)の見通し。配当46円(中間23円)の予定。増配含みだ。設備投資113億円(前期64億円)の計画。来期一服とみられる。弥富、横浜、岐阜と続いた環境ソリューションの投資一巡。東西に限らず、リニアや名古屋再開発でも案件が見込まれダークホース。五輪後、目を離せない。MCR、システム機工然り。中堅クラスでシェアが高いだけにまだ伸びる。グループ連携が一体感を生んで心地よい。シェアで見劣りする関東と関西が腰を上げると面白い。