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企業レポート

次世代構想本物に 中部鋼鈑 9月12日 (2019.09.11)

19、20年の仕込み次第
4つの強化を実現すると大化け
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中部鋼鈑(5461)は連結確り。春先から厚板受注減、スクラップ安をこなし堅調。今秋以降、持ち直す見通し。スプレッド(製品出荷と原料購入価格の差)によるもので、8月下旬日本製鉄(5401)が2年半ぶりトヨタ(7203)向け薄板トン4000円(約5%)値上げ妥結が手掛かり。9月にかけて中国の鉄スクラップ一段安、トルコ(世界最大の同輸入国)向け輸出価格大幅下落が伝えられ、踏ん張りどころ。米国の通商政策と中国の過剰設備が尾を引くとみられる。2Q の受注残7、8割といわれ折り返し地点。グループの物流事業、レンタル・エンジニアリング事業も底堅く、通期修正なしに乗り切る構え。来年(創業70周年)が目前に迫り、次の足場を固めている。AI、IoT、5Gの時代を迎え、設備投資の有無が将来を左右するためだ。これまで18中期計画で連結経常利益40億円(前期実積28億円)、コストダウン4%以上削減(同7%増加)未達。サブコア事業の経常利益5億円(同4億円)、配当性向25%以上(同27%)圏内。さらに改善を見込み新たなステップに備える。事実、創業60年から10年がかり第2の創業機運。本物だ。国内唯一の厚板専業大手として世界最大級200トン電炉(1962年導入)や製鋼・圧延直結の連続鋳造設備を持ち、100年企業を目指す上で「複線化」が不可欠。JR東海(9022)の新幹線とリニアによる次世代構想に似ている。50、100年先の蓋然性を仮説にシミュレーション活発。18中期計画に盛った企業グループ事業基盤・鉄鋼事業の競争力・関係会社の収益力・ステークホルダーとの関係強化につながるもので、2003年連鋳機更新(65億円)を口火にスクラップヤード・圧延工場増築・同基盤整備、一連の耐震補強などしのぐ規模。五輪後、大阪万博(25年)やリニア開業(27年予定)を控え、名古屋駅再開発待ったなし。創業の経緯が名古屋で自前の鉄道建設と伝えられ見合っている。3大都市圏に有力な得意先を持ち、自前のインフラで業界指折りの製品を提案できるわけだ。6月25日の総会、突っ込んだ質問もあった模様で興味深い。従業員やOB、地元の理解が広がる一方、市場でも配当利回り3.31%(11日)を見直す動き。高炉を補完し、新製品開発と需要開拓を通じてシェア拡大。省エネ・省資源化によりコストダウンを進めダントツ経営を目指す。軌道に乗ると、ヒト、モノ、カネに情報も集まる仕組みだ。
2020年3月期(連結)は、売上高575億円(10.1%増)、営業利益30億円(6.7%増)、経常利益同(3.5%増)、純利益20億円(15.9%増)の見通し。4円増配し21円配当(中間10円)の予定。設備投資20億円(前期19億8600万円)の計画。単体は19年後半から長大運。重松社長(63)が調整運で仕込みの好機。数年後夢が叶い一服。さらに上昇という。連結子会社の物流事業が高い伸び。同ベトナム孫会社も持ち前のエンジニアリングでダークホース。18中期計画に盛った4つの強化を実現すると大化け。19、20年の仕込み次第だ。

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